私は四十代の女性。主人も四十代。

主人の方の関係者である女性と会った。主人と一緒にいる時に。

私は膝上丈のワンピースにロングブーツという服装をしていた。

その服装をその女性に笑われた。面と向かって堂々と笑われたわけじゃないけど、笑いをこらえているのを隠すような感じでもなかった。私の服装を見た途端、顔を横に向けて、口を押えて。でも隠せてなくて、笑ってるのはありありと分かった。

主人と仕事上の関係である女性だ。

一応、そこに主人もいるというのに、その様子。

笑われた、笑いをこらえていた、というのは私の被害妄想ではなくて、主人もはっきり見ていたし、後で主人からその話が出たくらいで、その女性の様子は間違いのないことだ。

年甲斐のない服装をしているということだと思う。そしてそれが似合ってなくて、笑うほど変だという事だと思う。

彼女が言った言葉も主人も一緒に聞いていたよ。「仮装ですか?」

私は四十代だ。膝上丈のワンピースを着るのを避ける人は多いだろう。見てられない、恥ずかしい、醜い、目の毒、気持ち悪い、という意見を持つ人が多いのも知っている。

だけど私は違うと思っていた。私は特別若く見えるとか特別スタイルがいいとかではないけど、。それに太っていて、おなかが出ているし、太腿はぶよぶよたるたるだけど。だから本当に何の根拠もないのに、そうやって笑われた今でも、何故か、私はいいんだという自信のようなものが残っている。おばちゃんだという自覚も持てない。

でも、そういうのはさておき、脚を出すことは私の勝手。法に触れるわけでもない。私がどんな服装をしようと私の自由。

でも、この自由を貫くには、人に笑われても傷つかないメンタルが必要だよね。それはないんだよね。傷つく。はっきりと傷ついて、引きずっている。だったらもう好きな服装をするのをあきらめるしかないのか。

主人は私に脚を出す服装を勧めて来ていた。二十代の頃とかの話じゃない。三十代後半くらいの時。ホットパンツを大いに推進してきていた。また、これは私が趣味じゃないから主人の好みに合わせなかったけど、少女趣味な服を勧めてくることもよくあった。

今私は三十代後半でなくもう四十代だけど、あの頃の私と容姿が大きく変わっているとは思わない。白髪は増えたし目じりや口元のしわも出て来た。けどあんまり変わってない。あと体型も殆ど変わってない。前から私はふとめで、たるんでた。

今まで主人は私に、年相応の服装をしたら、なんて言ったことはなかったというのに、今日のことを受けて、急に言い始めた。「◆◆さん笑ってたよ。もう四十代なんだから、そんな脚の出る服装はみっともない。そのワンピースは捨てよう。ズボンはいたらいいよ。」

笑われたことに傷ついて、主人の発言にも傷ついた。態度には出さなかったけど。主人の言葉に賛成はしなかったけど、笑われたのは事実だし、私はなんか主人がそういうのを聞いて自虐的に笑ってた。

そのワンピースは、その日のうちにゴミ箱に捨てた。