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見に行ったもの(展示・公演)、聞きに行ったものなど(講演・講座)、書きつづっていきます

若狭歴史民俗資料館で開催中の特別展「若狭を撮る—井田家所蔵古写真のまなざし—」(前期展)が最終日ということで、見ないと後悔するかも、と思って行ってきた。
 駐車場にたくさん車がとまっているので、最終日なので、たくさん来ているんだな、と思って、車をとめて資料館へ向かうと、「本日 無料開放」という垂れ幕が下がっている??。
 玄関を入ると、受付の女の人が、「今日は無料開放なので、名前を書いてください」ということで、どうやら、名前を書くとタダで入れるらしいことがわかった。ラッキー!と思いつつ前に進むと、階段の前にはり紙が…。なんかよくわからなかったが、福井県教職員互助会というところが、福井県の文化の振興のために、若狭歴史民俗資料館に協力してもらって、10月21日と10月28日を無料開放するとのこと。前期展の最終日の今日と、後期展の最初の日曜日が無料になるというので、また来週も来よう、と思った次第。ふだんだと400円かかる観覧料がタダになるので、今週と来週で、800円の得。これは本当にありがたい。
 展示は、期待以上に面白かった。思っていたよりたくさん写真が並んでいたし、大きなパネルにのばしてあるので、見やすかった。何より、写真の1枚1枚がすごくきれい。解説のプレートを見ると、明治末とか大正期とかの写真がけっこうあるのに、そんな古い写真も、いま撮ったように鮮明に見ることができることに、本当にビックリ。もちろん白黒写真だけど。
 あちこちで古い写真の展示を見るけど、こんなにきれいな古い写真(変な言い方になってしまうなあ)を見るのは初めて。たいてい、ちょっときたない見にくい写真で、細かいところなんか全然わからないのに、この特別展の写真は、小さく写っている人の顔の表情までよく見えた。あと、写真にすごく芸術性を感じるものが多かったし、迫力もあった。
 内容的には、小浜の町並みの写真がいっぱいあったのがよかった。とくに、堀川がなつかしかった。はねあげ橋も、小さい頃にあがるところを見たことがあったなあ、と思い出した。

 記念講演会があったので、ついでに聞いてきた。講師は、NHKの朝ドラの「カーネーション」の時代考証をしていたという、明珍(みょうちん)という変わった名前の先生。カーネーションの台本を持ってきてくれていて、回して見せてもらえた。4種類の色の表紙のちがう台本があって、最初は黄色、次は白(逆だったかな?)で、その次は青、そして最後にカーネーションの模様入りの完成台本ができるということで、何度もチェックが入って、何回も書き直されるので、時代考証の先生はそれぞれの段階の台本をチェックするそう。
 明珍先生は、井田家所蔵古写真はすごいと、何度も言っていた。たとえば、井田さんが撮ったような北前船の写真は、大阪にもどこにも残っていないらしい。それも、ガラス乾板で残っているのがすごいのだとか。
 井田さんが撮った写真は、小浜や若狭だけでなく、日本にとっての大事な宝なんだなあと思うと、すごく誇らしく(自分のものでもないのに)思えた。それで嬉しくなって「若狭を撮る」前期展の図録だけじゃなく、今日の講演会で明珍先生が紹介した写真が載っているという、一昨年の「写された若狭」の図録も買ってしまった。来週、後期展を見に行ったとき、後期展の図録も買ってしまうんだろうなあ。後期展には放生祭の写真がいっぱい出るということらしいし…。

 タダで特別展を見ることができ、展示の写真を見たり、講演会を聞いたりして、いろいろ新しい発見があって、楽しく過ごせた満足な一日だった。