自宅にたどり着いた…
おばあちゃんと妹君と弟君の無事を確認。
山の高台だったから家も無事みたいだった

でも窓とか開き難くなってる
妹君に勝己が部活でプールにいるから探してって頼まれた
もちろん必ず探して見せるよ…
そう約束したのに…
水泳部が使ってた市営プールは鉄骨の屋根が崩壊してプールが埋まっていた
津波警報のサイレンが遠くで鳴っていたけど
気持ちが沈んでいて気にならなかった…
「早く高台にあがれー!」って声も聞こえた
昼頃には自衛隊も捜索に出動していて
全員で叫んでくれてる…
申し訳ないから疲れてたけど走った
24000人の町で生存確認できた人は6000人だから14日時点では18000人行方不明みたいだった
きっと皆あんな津波が来るなんて思わなかったんだ…
走りながらそう思った
あと

津波きたら乗り捨てたバイクどうなるん?�

高台で自衛隊とか消防の人と待ってたけど
いつまでたっても警報が解除にならない…
時間がないのに…
地震発生から48時間たってる
72時間以内に探さなくちゃ…
低地から離れて先に点在する避難所を探してみる
ヘトヘトになりながら何件目かの避難所を探し当てた末に
見つけてしまった…
死亡者確認リスト…
「シバノカツミ」
収容場所:下矢作小学校…
ひとりで確認に行きたくなかった
お父さんを東京に迎えに行かなくちゃ…
夕方4時…
妹君と弟君の待ってる自宅に戻った
なるべく明るい顔して言った
「勝己が見つからないから先にお父さん迎えに行ってくるから住所と携番教えて~
」「あと避難所10箇所見つけたからリスト渡しとくね」
中1の妹君が不安そうにナオの話しを聞いていた
何か喜んでもらえることないかな…
「そうだ
今日ホワイトデーだからチョコあげる
」妹君が嬉しそうに言った
「オレはバレンタインあげてないのに…」
岩手の女の子って自分のことオレって言うみたい
この子だけかな?
お礼に炊き出しのオニギリくれたけど
もらわなかった
被災者の人の分だから食べられないよ…
そのままバイクに戻って東京に向かった
550キロ。
休憩無しなら10時間で帰れる…
勝己の遺体を確認したかったけど
家族に迎えに来てほしいはずだよね
でも
今のおばあちゃんや妹君達には言えなかった…
勝己が死んだことを知るときに
そばにお父さんにいてもらえるようにしてあげるね…
一関市の公衆電話が無料で使えたから
勝己のお父さんに電話した
お父さんは25年も東京に出稼ぎで1人暮らしらしい
電話したときも仕事中だった
先に死亡リストの話して
あとの家族と家が無事なことを伝え




