童話:じかんざぶとんより…
あだちまり童話
「じかんざぶとん」より…
サンさんのための黒い鏡の椅子は、世界にたった一つだけの大切なもの。
高価だったり、希少価値があるからというのではなく、ときちゃんのサンさんへの思いが込められているから…
それはモノだけではなく、その時、その瞬間、思い出や記憶、言葉にだっていえるような気がします。
人生で傷ついたりころんだり、
そんな時は、私は運が悪いなぁと、私にはそんなたった一つの何かなんてないって感じるかもしれません。
けれど、そんな時には本の1小節や、誰かの優しい行動や言葉に感動したり、あたりまえだと思っていたことを愛おしく思たり、
見渡せば愛が溢れていることに気づきます。
樫の木おばさんの章では、
ルリビタキという青い鳥がでてくるのですが、
ほんとうのしあわせは、
気づかないくらいすぐそばに存在しているんだ
という思いが込められています。
誰でも知っている青い鳥
誰もがつい忘れてしまう青い鳥
しあわせはとてもシンプルで
人なつっこいものだと思うんです。
あなたの人生が、
まわりに左右されることのない、
世界に一つだけの大切なもので溢れるといいな…
と思います。