妻と会ってきました。

 

今日も特に変わったことはなく、

いつものように買い物して食事。

いつものように改札まで送り、

いつものようにひとり帰路につく。

 

そういえば別居したての頃はなかなか別れがたく、

とっくに妻がいなくなったコンコースを

何十分もぼんやり眺めていた。

 

そういえば帰路、

いつもふたりで歩いていた道を

ひとりで歩くことができなくて、

道順を変えて帰っていた。

 

けれどいつからか、

妻の姿が見えなくなるのを見届けたら

すぐに踵を返し、

歩き慣れた道で帰宅するようになった。

 

月が満ちていくように少しずつ少しずつ、

時が心を整理してくれているのだろうか。

いつか妻に、何ら曇りのない気持ちで

長い間ありがとうと言える日が来るのだろうか。