潰瘍性大腸炎⑨

今回は人工肛門との格闘について書きたいと思います。

前回を読んでない方の為に．．．

私は潰瘍性大腸炎の内科的治療が限界になった為に、大腸全摘出手術をして右腹に人工肛門を作りました。

人工肛門とは小腸の一部を右のお腹から引っ張り出して、小腸に切り口を作り、そこから腸液や排泄物を出す手術です。

人工肛門にストーマという透明の袋を取り付け、それが溜まってきたら中身を捨てます。

障がい者用（車椅子用）トイレで低い洗面所がついているのはその為です。

慣れてきたら普通の便器にも中身を捨てられるようになります。

ストーマについての勉強の時に障がい者用トイレを使うよう言われましたが、

私は見た目は普通だったので、障がい者用トイレを使うのがためらわれたのと、もし車椅子の人がいたら優先させたい

ので、なるべく普通のトイレを使っていました。家も普通のトイレでしたしね（笑）

私は人工肛門のことを「ブーちゃん」と呼んでいました。

しょっちゅうブーブー言うからです（笑）

見た目と大きさはちょうどピンクの梅干しみたいな感じでした。

あとブーちゃんはしょっちゅう泡を吹いたりしていました（笑）

ガスが溜まるとストーマがパンパンになりました。

１～２日置きにストーマの交換をするのですが、これが結構時間がかかり大変でした。

私は７月頃に退院したので、ちょうど夏の時期で良かったですが、冬だったらずっとお腹を出して処置するのは寒くて大変だったなあと思います。

前回お伝えしましたが、私のブーちゃんは小さくて、当時外人用しか無いストーマの穴のサイズと全然合わず、

どうしても隙間ができてしまうのです。

その隙間から漏れ出してしまうと大変なので、紙粘土みたいな物をコネコネして

ブーちゃんの周りに土手のように巻き付けてからストーマを付けました。

それと腸液はとても強い酸なので、ブーちゃんの周りがしょっちゅうただれてしまい、痛いし、無残な姿になっていました。

私は運良く２回目の手術が成功したので、無事に人工肛門を閉じることが出来て良かったですが、永久人工肛門になった人は本当に大変だなぁと思います。

人工肛門で良かったことは、何を食べても身体にほとんど吸収されず、出て行ってしまうので全く太らないということでした。

そこで私は潰瘍性大腸炎の間は食べてはいけなかった、大好きなラーメンの食べ歩きを始めました（笑）

何十件ものラーメン屋に一人で周りました。

ラーメンを食べるとすぐストーマが膨らみ始め、ほとんど出て行ってしまいました。

ストーマの中身を捨てる時はラーメンの麺の色の水が溜まっていて、小麦の香りがしました。

胃で消化出来なかった物はそのままの形で出てきます。（例えばキノコ等）

千葉にある「なりたけ」という背脂たっぷりのラーメンを食べた５分後に、すぐ近くにあった九州のラーメン屋の粉チーズが山のようにかかったチーズラーメンを食べたりもしました。

まさにラーメンのはしごです（笑）

人工肛門にも色々なタイプの人がいます。

隣りに入院していたおばあちゃんは直腸がんで人工肛門を作った為、大腸は一部しか取っていないので、

ストーマの中に便は固まった状態で出てくるので、処理は簡単だと言っていました。

私のように大腸が全部無いタイプは腸液のようにほとんど液体で出てきてしまうので、漏れてただれてしまったり、と結構大変でした。永久人工肛門だったら発狂していたかもしれません。

それでも慣れてくると、ブーちゃんはしょっちゅうブーブー言っているので、お腹にペットを飼っているようで、今思えば楽しいこともあり貴重な経験をした半年間でした(^^)

ここまで読んでくださりありがとうございました！

次回は２回目の手術について書きたいと思います。