「シンデレラの価値観」

彼女は合コンにやってきたシンデレラ。
12時の門限の為に終電に乗らなければならない。
時計を見ると、もうそろそろ。
急いで駅へ駆け足で…。
慌てたもので価値観を落としていっちまった。

翌日の事。
その価値観は僕のものと似ていた。
上皿天秤にかけると、僕のものと彼女のものは、ほぼ釣り合っている。
その価値観はガラスでできていて、ちょっとしたことで壊れてしまうような繊細なものだった。
生まれ落ちた環境も時代も違う彼女が、同じような価値観を持っていたことに驚きだった。

僕は、その価値観の持ち主を探した。
なかなか持ち主が見つからない。
インター・ネットを使って呼び掛けてみた。
該当する人が現れた。
それは、俺の女バージョンのクローン人間だった。