頭皮は皮脂の分泌が非常に多く、これを皮膚の常在菌のブドウ球菌やイースト菌などの微生物が分解し、水に溶けやすい物質に変え、汗や表皮の水分といっしょになって皮脂膜をつくり、皮膚にうるおいを与えたり髪のツヤをよくしています。

しかし適度に洗わなかったり、ホルモンのバランスが崩れたり、健康を害して体調が狂うと、皮脂の分泌が多くなり、これらの微生物や真菌が異常に繁殖し、刺激物質をつくり、炎症を起こします。

さらに紫外線の影響を受けると、皮脂の酸化物である脂肪酸や過酸化脂質などができ、これらが皮膚を刺激するために、頭がかゆくなったり、フケが異常に増えてきます。

皮膚表面の皮脂膜は、完全に取り除いたとしても1時間後に約50%回復し、3~4時間後には元の状態に戻っていき、一定量になるとその分泌を止めます。

このように皮脂はふだんは自然にコントロールされています。分泌される皮脂の量は、脂っこいものや刺激物などの多い食事内容、男性ホルモンやビタミン B6の不足、睡眠不足、便秘などいろいろな条件によって行なってきますので、多過ぎでも少な過ぎでもない、つねに一定の状態を保つようにしなければなりません。

皮脂が過剰に分泌されている場合は、微生物や空気中の酸素により脂肪酸や過酸化脂質に変化して、微生物の栄養源になり、微生物が異常に繁殖して皮膚にダメージを与えるので、除去しておかなければなりません。