海子:「ツリーハウス」のレッスンは、録音してもOKだそうですね。

 

ビル:もちろんOKだよ!

 

海子:実際に録音してる生徒さんもいますか?

 

ビル:たくさんいるよ!

Why don't you try?

 

海子:ノー・サンキュー。

ビル先生の英語を聴き直せるのはとてもいいと思うけど、自分の下手クソな発音を聴かされるのがイヤです。

 

ビル:うん、そう言って嫌がる人、多いね。自分の声ってこんなだったっけ? とかね。

あと、自分の言い間違いを聴かされるのがイヤだとか。間違う自分、つっかえる自分、何て言ったらいいかわからなくて黙っちゃう自分……

 

海子:うわああ……

 

ビル:でも大丈夫! 何度か経験すれば、もう開き直って気にならなくなるから!

あと、録音中だという意識があると、自分でも気をつけてしゃべるようになるみたいだよ。

 

海子:ビル先生としては、レッスンの録音をすすめるわけですね?

 

ビル:I very much recommend recording lessons!

リスニング力もつくし、何よりも「自分がどういう風にコミュニケーションしているのか」に気づく効果があると思う。

 

海子:どうやって録音するの?

 

ビル:普通にスマホで。iphoneのボイスメモでもいいけど、僕のおすすめは「voice activated recorder」っていうアプリ。ほら、これ。感度を調節できるから、会話以外のノイズをカットできるんだ。

 

海子:オンラインレッスンも録音OK?

 

ビル:もちろん! zoomはもともと録音機能があるしね。FC2もそう。LINEには録音機能はないから、何らかのデバイスを用意してもらわないといけないけど。

 

海子:録音したものをどう利用したらいいと思う?

1時間なり1時間半なりのレッスンをもう一度聴くって、けっこう大変な気がするんだけど。

 

ビル:通勤電車の中や、車に乗る人なら運転中に聴くのがいいんじゃない? 机に向かってガチで勉強モードで聴くより、その方がいいと思うな。楽しむ気持でさ。

As a means of entertainment.

 

海子:録音といえば、2022年に出版された、

 

『語学の天才まで1億光年』(高野秀行著、集英社インターナショナル)

 

という本があるんだけど。ノンフィクション作家である著者が、自身の語学遍歴を振り返ったエッセイです。

著者は大学生のとき、フランス語をマスターしようと思い立ち、フランス人にマンツーマンのネイティブレッスンを受けるのね。ちょうど「ツリーハウス」でやってるような感じで。

 

ビル:ふんふん。

 

海子:可能な限りレッスン料の元をとろうと思った著者は、1時間のレッスンをそっくりテープに録音し、家に帰ってすべての会話をテープ起こししたそうです。まだ基本的知識もおぼつかなかったようなので、辞書や文法書と首っ引きで。

 

ビル:その人、ちょっと普通じゃないだろ?

 

海子:で、起こしたノートを次のレッスンに持っていって先生にチェックしてもらい、チェックしながらの会話もすべて録音し、帰宅してテープに起こし……

 

ビル:明らかに普通じゃない。まともな人間のやることじゃない。

 

海子:なんで素直に感心しないかな。

まあモチベーションが高くないとできないことかもね。その点著者には、いつかアフリカのコンゴへ行き、伝説のモンスターを発見したいという野望があったのね。そのためにコンゴの公用語であるフランス語を習得したいと思ったわけで。

 

ビル:Did he find the monster?

 

海子:いや、結局モンスターは発見できなかったんだけども。

 

ビル:How sad.

会話レッスンをテープ起こしするのは、僕はあんまりおすすめしないかな。ディクテーションはとてもいい勉強法だと思うけど、それをやるならもっと、基本的なセンテンスの載った教材的なものを使った方が効果的じゃないかな。

 

海子:なるほどね。

 

ビル:ごく基本的なセンテンスだって、最初のうちはディクテーションするの大変だからさ。1日1センテンスからでも、やってみたらきっと伸びるよ。

ところでこれ、今日のレッスンを録音したオーディオファイル。LINEで送っといてあげるからね。

 

海子:え? え? なんで……?

 

ビル:さっきアプリの使い方を実演したときから、スイッチが入れっぱなしになっていたんだ。

 

海子:ずーっと?

 

ビル:ずーっと。

 

海子:うわー、聴くのが恐ろしい……

 

ビル:大丈夫、慣れるから!

Record your lessons, everybody!