2.行政における対策
市町村単位で進められてきた空き家対策は、これからの人口減少時代を踏まえ重要な国策になっており、国は法整備を進めて市町村の空き家対策を支援しています。
現状でどのような対策が行われているのか確認してみましょう。
住宅用地特例の適用除外や強制解体
空き家対策特別措置法の施行により、周辺に悪影響を及ぼしている、またはそのおそれがある危険な空き家は、「特定空き家」と認定されて措置の対象になります。
具体的な措置の内容は段階的で、次のような流れで進みます。
- 市町村から改善のための助言・指導
- 改善がなければ勧告され固定資産税の特例適用除外
- 改善勧告に従わなければ改善命令
- 改善命令にも従わなければ代執行により強制対処
まず、市町村から助言・指導が入る時点で、もはや猶予がないことを告知されたのも同然ですから、速やかに改善を施して悪影響を取り除かなくてはなりません。
そして、助言・指導で改善されない場合は、改善勧告を受けます。
改善勧告は、同時に土地の固定資産税・都市計画税が上がるペナルティを伴います。
住宅の敷地は、固定資産税が最大で1/6、都市計画税が最大で1/3に軽減されますが、勧告によって軽減の対象から外れ税額が3倍~4倍程度に上がります。
それでもなお改善されない場合は改善命令が発令され、命令も無視すると市町村が代わりに改善を施す代執行によって、強制的に悪影響の要因が取り除かれます。
解体することでしか改善できない空き家では、所有者負担で強制解体となります。
空き家バンク
空き家バンクとは、市町村や市町村に委託されたNPO法人等が、登録された地域の空き家情報を提供することで、空き家の利用者とのマッチングを行うサイトです。
全国の約7割の市町村が、空き家対策の一環として空き家バンクを開設しています。
売買・賃貸をあっ旋する仕組みとしては有用なのですが、運営主体が市町村単位であることから仕様が統一されておらず、全国規模での情報検索に難がありました。
利用者側の手間が大きいことは、空き家バンクの活用意欲を低下させ、実際に空き家バンクは期待されたほどの成果を上げていません。
この状況を見て、国土交通省の国土審議会は、空き家バンクの物件情報を一元化し、標準システムを整備するよう政策提言をしました。
提言により予算が確保され、早ければ2017年度にもスタートします。
こうした動きは、空き家対策にITを取り入れ、増えすぎた空き家の利活用を促進させるもので、空き家対策が重要な課題であることを示しています。
解体やリフォーム補助金
市町村にとって空き家の存在は、地域の衰退と住民税の減収に結び付きます。
人が住んでくれれば最良ですが、建て替えや解体が行われるだけでも、経済効果を生み出しますし、空き家対策のコスト低下は歓迎すべき状況です。
そこで、多くの市町村が空き家に対する何らかの補助金制度を導入しており、空き家の所有者としては積極的に利用するべきでしょう。
一例として、次のような費用への補助金が多く見られます。
- 解体費用
- リフォーム費用
- 家財の撤去費用
- 管理費用
空き家関係の補助金は、空き家バンクと結び付けている(空き家バンクへの登録を条件にしている)市町村もあるので、空き家バンクの利用と並行して考えたいところです。