ずいぶん更新間隔があいてしまいました。釣りに対して悩む時間が多く、確信を持って何かを語れる状態になかったのが主な原因です。
私より釣り経験の短い人、タックルへのこだわりが少ない人、明らかに釣りの引き出しが少ない人、そういう人たちと同船して釣り負ける事が重なった事が主因でした。
もともとこだわりが強く、負けず嫌いな性格が功を奏し、のめり込むものでは結果を出せてきた人生だと思うのですが、釣りはそうはいきませんでした。どんなに拘っても、どんなにストイックに突き詰めても、身体を鍛え、感覚を鋭敏にしても、勝てない時は勝てません。そこに自分が音をあげてしまったのでした。
また、今少しずつチカラが入るようになってきました。それは『釣りは運。でも、運を生かす準備をどこまでやれるか、が実力』というような考えが気持ちを強くしてくれたからだと感じています。
『運を生かす準備』とは、深海釣りでわかりやすく説明が出来そうなので、今回は『深海ジギング タックル考察』と題して、『運を活かす準備』について備忘録を残そうと思います。
例えばアブラボウズを例にあげます。
下田から南伊豆の忠兵衛丸さんで出船すると仮定します。水深は600〜700m、エサ釣りの方との同船があり得ます。エサ釣りの方はPE10〜12号、オモリは2.5キロほどでしょうか。しっかり底を取れる道具立です。1日の流しは最大で7回程度、1流しは1時間と考えます。
私たちジガーは、この条件下で釣りを成立させるように考える必要があります。
まず、水深は600〜700m、当然ながら二枚潮、三枚潮となる事は想像に難くないので、きっちり底どりが出来るラインの太さ及び材質、ジグの形状および重さを考えます。
私はサウスポーの為、リールは左巻きになります。従って現在入手が可能な大容量リールはブルーヘブンL120のほぼ一択になります。
ブルーヘブンL120はスーパーファイヤーラインなら3号を1200mストックが『可能』です。ただし、かなりテンションをかけて巻かなければストック出来ません。
参考までにブルーヘブンL120にスーパーファイヤーライン3号をIK500(ラインテンショナー)で2キロのテンションを掛けて1200mストックしたのが下の写真です。
・ブルーヘブンL120Hi
・スーパーファイヤーライン カラード3号 1200m
この状況になるとラインのツラがスプール径を越える為、スペアスプールが利用できません。従って、根掛かりやお祀りによる高切れに備えるなら、結束を作る前提でラインを持ち込むか、或いは予備のリール自体を用意しなくてはなりません。
ここで一つ『運を生かす準備』が必要になります。
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1.船上で短時間に、結束強度100%以上のスーパーファイヤーライン同士のノットが組める訓練をしておく
2.普段から仕事に打ち込み、節約を重ね、一台15万円近くするリールを2〜3台購入しておく
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これらがなければ、いざトラブルが発生した時には何も出来ずに見ていることしか出来なくなります。
また、口コミに左右されず、確信を持ってタックル選択できる知見を貯めなくてはなりません。私はバークレイのスーパーファイヤーラインと、サンラインのULTスローピッチ専用モデルの2種類について、水深700〜1000mでのインプレを終えていません。従って次回釣行時には
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1.スーパーファイヤーライン3号を1200mストックしたL120
2.サンラインULTスローピッチ専用モデル3号を可能な限りストックしたL120
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の2種類を用意していくことになります。これが出来て初めて、確信を持ってタックル選択が出来るようになります。
さて、私のようなサウスポーにはリールの選択肢が極めて少ない為、他に工夫できるものがないか徹底的に考えなくてはなりません。
簡単に見つけられるのは『ラインを細くする』です。このラインを細くするを実現するためには、日頃からビッグフィッシュとのやり取りを戦略的に制するトレーニングが必要になります。『戦略的に制する』とは『偶然ではなく必然で獲る』事を意味します。魚はご存知の通り後ろ方向に泳ぐ事はできない、或いは極めて苦手です。従って顔をこちらに向けたファイトが求められますが、これは簡単ではありません。
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1.まず魚の顔をこちらに向ける
2.一度向いたら反転させないでどこまで引き寄せられるか
3.次の反転のタイミングと強さを予測し、ドラグ調整を素早く行う
4.泳力が衰えたタイミングを逃さず、ラインキャパを有効に活用してもう一度顔をこちらに向かせる
5.以後上記の繰り返し
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これらに慣れていれば、水深100mの30キロオーバーのカンパチでもラインを2.5号で十分勝負できます。アブラボウズが水深700mで最大重量90キロと考えると、ラインの伸長率が5%のスーパーファイヤーラインなら35m、伸長率3%のULTなら21mの『クッションゴム』がある状態ですので、感覚的には2.5号でも勝負可能だと考えます。もし、ラインを3号から2.5号に落とせるとしたら、ライン径が15%ダウンしますので、水抵抗や水圧も恐らく同程度ダウンさせる事が可能になるはずです。そうなると、L120ナローも選択肢に入ります。
L120ナローが選択肢に入ると、今度は『スプールフリー』の恩恵を受けられるようになります。ご存知かも知れませんが、L120ナローはシングルディスクドラグを採用している為、落下時の抵抗をより軽減させる事が出来るようになっています。これにより、より早く着底させる事が出来ますし、何より二枚潮を拾い難くなる為、着底直後からジグの操作性面で有利になります。(700mで着底させる場合、潮が素直でも2〜3%のヨレが出ています。そのヨレを解消する為にはその分、つまり15m程度の早まきが必要になりますが、ジグの着底時には魚が寄っている可能性が高く、深海魚に対して早まきはそのチャンスをフイにするリスクが高まります。)
L120にサンラインULTスローピッチ専用モデルをIK500で2kgのテンションを掛けて巻き取ると、1060mストック出来ます。参考までにその場合の写真は以下です。
・サンラインULTスローピッチ専用モデル 2.5号
1060mストック
このタックルが選択肢に入った事により、ジグのウェイトを軽くする事が可能になり、結果的に体力面で大きなアドバンテージを得る事が出来るようになるはずです。
さて、ラインとリール、ジグのウェイトについての『運を活かす準備』が出来ましたが、まだ事前に出来る準備はあります。
『ジグが最適な状態で水中にある時間が長いほど、魚を掛けられる確率は高まる』ので、ジグを最適な状態で、について考え準備をします。
まずはアシストフックです。
ここは2つの工夫を施しています。
・ツナ ブレードポイント 6/0
・ザイロンノット 30号 テーパーアシスト
・CB ONE マックスパワー#4 /214lb
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1.ラインヨレをなくす為にローリングスイベルを使用
2.ジグのアイ絡みやジグへの抱きつき防止等のトラブル防止のため、結束部を熱収縮チューブで固定
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1のラインヨレは、ライン強度、ノットの結束強度を下げますので、細いラインを使用する際には絶対に必要な処置だと思います。無論、『スイベルがジグを回転させ、ジグの動きを悪くする』とおっしゃる方が居るのは理解していますが、私の経験上、スイベルがあった為に釣果が落ちた(釣れていた魚が釣れなくなった)事は一度もありませんので、ある種の都市伝説であるとして無視するようになりました。これも自らの検証による成果だと考えています。
2は、テーパーアシストの『あるある』ですので説明を割愛します。
他にもテーパーアシスト作成時に細かな工夫をしていますが、長くなりますので割愛します。これらの工夫によって、ジグは良い状態で水中にとどまる事ができます。
他にも工夫の余地はあります。
時折、ジグのアイにけん玉の大技のようにキレイにフックが入る事があります。一度これが発生すると魚がバイトしても針がかりする確率は極めて低くなります。それを防止する為にジグのアイ部分を熱収縮チューブで50%程度小さくしています。ジグが1,000gを超えるようになるとアイも非常に大きくなる為、この工夫は大変重要です。
これらの工夫によって『魚を少しでも掛けやすくする』『魚を掛けたら少しでも上げやすくする』工夫を重ねる事で、長期的に見れば、結果的に良い魚・多くの魚に出会えるのだと考えられる様になったと感じています。頭では分かっていたのですが、十分にやりきれなかったんですね…
という事で、明後日からアブラボウズ狩に出てみようと考えています。『釣行数を増やす』も重要なKPI(統計的に結果に繋がる指標)ですから!(^_^)
追ってレポートします。
長くなりましたので、ひとまず筆を置きます。
手塚拓海 拝