昨年の第一回緊急事態宣言発出時と比べると街の人出も多くなりかなり普通の暮らしが戻ってきた感があります。その一方で企業の在宅勤務は定着しつつあるようです。
大企業本社のダウンサイジングのニュースはいくつか報じられています。コロナ禍のもと出社を週に1~2回に減らしている企業は多く、ポストコロナになってもオフィスのフリーアドレス化とともに実践することでオフィス面積の削減を図ろうとしています。
この変化が与えるインパクトについて市場はどのように織り込んできたのでしょうか?ここ1年のREIT価格の推移から振り返ってみたいと思います。
ここでは代表的なオフィス型REITである日本ビルファンド投資法人(8951)を見ることにします。コロナショック直前の2020年2月21日に896,000円を付けたのち3月19日に555,000円の安値を付け下落率は38%に達しました。この後6月には700,000円まで回復したものの10月29日には2番底の522,000円を付けています。そこから徐々に落ち着きを取り戻し4月9日の終値は703,000円となっていて昨年2月の高値からの下落率は21%となっています。
つまりパンデミックの始まりにおいて海外の金融市場の混乱が契機となって売られた一番底と秋の第3波の進行のなかで売られた二番底がほぼ同じ約40%の下落幅となり、今年になってワクチン接種が世界で進むなか下落率20%の水準(前年2月高値比)に落ち着きどころを見つけたということでしょう。
さすがに東京都心のビル価格が4割下げることは考えにくく、2割下げた水準で落ち着きつつあることは納得できる水準ではあります。
REIT価格は配当原資となる賃料収入の期待値によって価格が形成されます。REIT投資家の投資行動は現物不動産投資家とは若干違って金融商品としてのリスク要因や投資家側のポートフォリオ運用基準に左右される部分も大いにあるのでしょうが、今後のオフィスビル市場でどのような取引事例が出てくるのか興味深いところです。
株式会社アクティオ
代表取締役 遠藤薫
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