ECB理事会は緩和策強化に踏み切りましたが、緩和拡大が市場の想定よりも小さかった為失望感から為替ではドル売りが加速し、円が買われ、大荒れの相場になってますね。
その影響で日経平均株価も下落中。
⁇
円が買われると株価が下がる⁇
一般的に円が買われると(円の価値が上昇)すると、株価も上がる様な気がしますが実際はそうではありません。
その理由を見ていきましょう。
日本の株式市場において外国人投資家の資金割合が多いのはご存知の通り。
その外国人のほとんどが日本国外で生活し、自国通貨を所有しています。
つまり日本円が外貨となるわけです。
投資には日本円が必要になることから自国通貨を売り、日本円を買い、日本株への投資をすることになります。
ここからがポイント。
この日本株へ投資する外国人投資家のリスクは為替差益です。
買った日本株は儲かった→日本株売却→円を自国通貨に変える→資金が目減りしていた。
これだと本末転倒な訳です。
そこで外国人投資家は日本円を取得する際に両建てを行います。
これにより日本株を買う際に円売りのオーダーが入り、日本株を売る際は両建てを解消させるので円買い注文が入るということです。
これが為替と日本株が相関のある理由です。
ここからもポイント。
ではなぜ円相場のマーケットが日本株マーケットへ影響を与えるのか?(逆も同様)です。
キーワードはレバレッジと証拠金です。
急降下していく保有する株価を見ながら、迫り来る証拠金の上限に不安を感じて強制ロスカットを回避しようとして証拠金積み増しの為に円買いを起こすからです。
その幅がお互いの相場に影響を与え合うのです。
このような一連の行動により、
日本株が上昇すると円安に。
日本株が下降すると円高に。
推移するようになります(逆も同様)。
さて、ここからは実践編です。
つまり、日本株が急降下するシーンでは急速な円買いが膨らみますが、これは一時的に証拠金積み増しの為に起こったことなので、株が一旦下げ止まると必要以上に証拠金を積み増した円が不要になります。
次に余剰に積み増した円での証拠金の為替差益を恐れて円を売り込み始めるのです。
日本株急下降→証拠金積増の為円買い→円高
そして、
株価下げ止り→証拠金余剰→為替差益回避→日本円売り→円安
となるのです。
このように日本株急降下による円買い、日本株急降下後の下げ止りでの急速な円売りは現在のマーケットにおいてはほぼ鉄板とも言える流れとなっております。
株、FXの参考になれば幸いです。