ふむ
生きるべきか
死すべきか
それが問題だな…
さて
どちらが男らしい生き方なのか…
じっと身を伏せ
ただ沈黙し
運命の不法な銃弾の嵐を耐え忍ぶのか
それとも剣をとり
押し寄せる苦難に立ち向かい
止めを刺すまで後には引かないことか
どちらが良いのか…
死すべきか…
死は眠りにすぎない
ただそれだけのこと…
眠りに落ちれば
その瞬間
全てが消え失せる
胸を痛める憂いも
肉体に纏った数々の苦しみも
なるほど
願ってもない幸いというもの…
死して
眠る…
ただそれだけならば…
いや
眠りにつけば
夢も見るだろう
それが嫌だ…
この生の骸から逃れ
永遠の眠りにつく
あぁ
それからどんな夢に悩まされるか
誰もそれを思うと
勿体ない
捨てがたいと感じるであろう
こんな飾り気のない人生にも…
さもなくば
誰が世の刺々しい非難の鞭に堪え
権力者の横暴や驕れる者の軽蔑的な行為を
黙って忍んでいるものか!
不実な恋の悩み
誠意のない裁判の焦れったさ
小役人の横柄な人のあしらい
全て相手の寛大さをいいことに
勝手極まる輩の傲慢無礼…
おぉ
誰が
好き好んで奴等の言いなりになっているものか!
その気になれば
この刃で
いつでもこの世におさらば出来るだろうに!
それでも
この辛い人生の坂道を
愚痴を零し
汗水垂らして登って行くのも
なんのことはない…
ただ死後に多少の不安が残ればこそ…
旅に出たものの
ただ一人も帰って来た例のない未知の世界…
決意が揺らぐのも当然
知らない国で要らぬ苦労をするより
慣れたこの世の心配事に揶揄されていた方が少しは増しと言う気にもなろうか…
こうして反省というものが
いつも人を憶病風に晒す…
決心の鮮血の色が
鬱で不健康な顔料で硬く塗りつぶされてしまうのだ
伸るか反るかの大勝負も
その流れに乗り遅れ
行動のきっかけを失うのが落ちだろう
何を考えているのか…
何を考えていたのか…
何を考え出すのか…
うむ
…
寝て食うだけ…
生涯それしか仕事がないと言うなら
人間とは一体なんだ?
畜生とどこが違う
神から授かった
この極まりない理性の力…
それがあるため
後ろを見
先を見通し
きっぱりした行動がとれる
この力
神に近き頭脳の閃き
それを使うな
黴でも生やせ
…
まさか
それが神意ではあるまい
それを私は
畜生の性なしか
それとも
腰の決まらぬ
小心者の常
あまり物事を先の先まで
考え過ぎて身動き出来ぬのか…
…
ふむ
思慮という奴は
四分の一が智慧で
あとの四分の三は卑怯者
…
私にも分からない
『これだけはやってのけねば』
と
ただ口先だけで言い暮らしている自分の気持ちが…
名分も
意思も
力も
手立ても
みんな揃っているのに…
足りないものがある
知らないことがある
想像のつかない
おぉ…
曇りガラスか
いいや
鏡で囲まれている
この合わせ鏡の無限の自分
一人くらいは違う動きをしているかも知れぬ
どこのどいつだ?
唯一の行動力
衝動というものは?
鏡の中に居るはずだ
出て来い!
姿を現せ!
もう少し手前に来い…
お前の動きを真似てみせる
これで自分の群れから逃れられよう
…
しかしだ…
その者をどうやって
近くまで連れて来るのか…
千里眼を持ってしても
見えぬ程遠くに居る
…
餌だ
奴の好物を持って来れば良い
単純な話だ
ここに好物があれば
奴は鏡を一枚一枚飛び越えて
一番手前に来るはずだ
その動きを真似るのだ
真似出来るだろうか…
これだけの群れの中で
唯一違う動きをするのだ
当然私には見当が付かない
道化師のような動きが出来るであろうか
いや
戦士の様な戦い方かも知れぬ
それとも
獣の姿か
どんな姿であろうとも
それは全く新しい私なのだ
…
よし
貴様の好物は用意しよう
…
意外にも近くに
これまた単純な…
もともと有ったものだがな
どうにもこうにも手が出せなかった
それが適当であろう
食い物ではないぞ
神聖なものだ
所有権は無いがな
欲望の怪物め
素直に餌に食い付け…
頼るのは好かないが
この際仕方あるまい
貴様の力を借りて
触れてみる
さぁ出て来い!
妙の世界から引き摺り出してくれようぞ!
死すべきか
それが問題だな…
さて
どちらが男らしい生き方なのか…
じっと身を伏せ
ただ沈黙し
運命の不法な銃弾の嵐を耐え忍ぶのか
それとも剣をとり
押し寄せる苦難に立ち向かい
止めを刺すまで後には引かないことか
どちらが良いのか…
死すべきか…
死は眠りにすぎない
ただそれだけのこと…
眠りに落ちれば
その瞬間
全てが消え失せる
胸を痛める憂いも
肉体に纏った数々の苦しみも
なるほど
願ってもない幸いというもの…
死して
眠る…
ただそれだけならば…
いや
眠りにつけば
夢も見るだろう
それが嫌だ…
この生の骸から逃れ
永遠の眠りにつく
あぁ
それからどんな夢に悩まされるか
誰もそれを思うと
勿体ない
捨てがたいと感じるであろう
こんな飾り気のない人生にも…
さもなくば
誰が世の刺々しい非難の鞭に堪え
権力者の横暴や驕れる者の軽蔑的な行為を
黙って忍んでいるものか!
不実な恋の悩み
誠意のない裁判の焦れったさ
小役人の横柄な人のあしらい
全て相手の寛大さをいいことに
勝手極まる輩の傲慢無礼…
おぉ
誰が
好き好んで奴等の言いなりになっているものか!
その気になれば
この刃で
いつでもこの世におさらば出来るだろうに!
それでも
この辛い人生の坂道を
愚痴を零し
汗水垂らして登って行くのも
なんのことはない…
ただ死後に多少の不安が残ればこそ…
旅に出たものの
ただ一人も帰って来た例のない未知の世界…
決意が揺らぐのも当然
知らない国で要らぬ苦労をするより
慣れたこの世の心配事に揶揄されていた方が少しは増しと言う気にもなろうか…
こうして反省というものが
いつも人を憶病風に晒す…
決心の鮮血の色が
鬱で不健康な顔料で硬く塗りつぶされてしまうのだ
伸るか反るかの大勝負も
その流れに乗り遅れ
行動のきっかけを失うのが落ちだろう
何を考えているのか…
何を考えていたのか…
何を考え出すのか…
うむ
…
寝て食うだけ…
生涯それしか仕事がないと言うなら
人間とは一体なんだ?
畜生とどこが違う
神から授かった
この極まりない理性の力…
それがあるため
後ろを見
先を見通し
きっぱりした行動がとれる
この力
神に近き頭脳の閃き
それを使うな
黴でも生やせ
…
まさか
それが神意ではあるまい
それを私は
畜生の性なしか
それとも
腰の決まらぬ
小心者の常
あまり物事を先の先まで
考え過ぎて身動き出来ぬのか…
…
ふむ
思慮という奴は
四分の一が智慧で
あとの四分の三は卑怯者
…
私にも分からない
『これだけはやってのけねば』
と
ただ口先だけで言い暮らしている自分の気持ちが…
名分も
意思も
力も
手立ても
みんな揃っているのに…
足りないものがある
知らないことがある
想像のつかない
おぉ…
曇りガラスか
いいや
鏡で囲まれている
この合わせ鏡の無限の自分
一人くらいは違う動きをしているかも知れぬ
どこのどいつだ?
唯一の行動力
衝動というものは?
鏡の中に居るはずだ
出て来い!
姿を現せ!
もう少し手前に来い…
お前の動きを真似てみせる
これで自分の群れから逃れられよう
…
しかしだ…
その者をどうやって
近くまで連れて来るのか…
千里眼を持ってしても
見えぬ程遠くに居る
…
餌だ
奴の好物を持って来れば良い
単純な話だ
ここに好物があれば
奴は鏡を一枚一枚飛び越えて
一番手前に来るはずだ
その動きを真似るのだ
真似出来るだろうか…
これだけの群れの中で
唯一違う動きをするのだ
当然私には見当が付かない
道化師のような動きが出来るであろうか
いや
戦士の様な戦い方かも知れぬ
それとも
獣の姿か
どんな姿であろうとも
それは全く新しい私なのだ
…
よし
貴様の好物は用意しよう
…
意外にも近くに
これまた単純な…
もともと有ったものだがな
どうにもこうにも手が出せなかった
それが適当であろう
食い物ではないぞ
神聖なものだ
所有権は無いがな
欲望の怪物め
素直に餌に食い付け…
頼るのは好かないが
この際仕方あるまい
貴様の力を借りて
触れてみる
さぁ出て来い!
妙の世界から引き摺り出してくれようぞ!