鬼と遭遇し、移動を始めて初日いきなり絶体絶命のエマとレイ。
案内人の名も知れぬオッサンは、二人に絶望を味あわせる為に、傍観を決め込む。
二人も機転を効かせて逃げながら攻撃をするが、いくら抵抗をしても鬼と呼ばれる怪物達は傷を自己再生してしまい、オマケにわらわらと数が増える。
これはさすがにどうしようも無いだろ…と言う感想を持ったが、オッサンが呑気してる事を「どうにかできる方法がある」と考えたレイは、ソンジュの戦いを思い出し、鬼の弱点を発見する。
曰く、顔の中心付近の目を狙え。
そんな急に言われても普通は無理だと思うが、何と次のコマで、エマが弓での狙い撃ちに成功したシーンが描かれている。
度胸も腕もハンパじゃないですねこれは…追われてる最中に0コマで必中とかエマ天才すぎる。
自己再生しない事を確認した二人は、再び逃亡へと移る。
逃げ切った後にノコノコ現れたオッサンに、「私達、ザコだけどまだ生きてる」とまるで天使のような笑顔を向けるエマ。これにはオッサンも苦笑い。
そしてエマとレイは生き残り方をどんどん学習し、吸収して行く。
今回の旅も何とかなりそうな感じがしてきた。一方オッサンはイライラの頂点に。
「明日ゴールディ・ポントで始末する」等と物騒な事を考えている。
ゴールディ・ポンド?A08-63地点の事か?とは思うが、今はオッサンの殺意の方がヤバイ。
だが、エマはここで明日になる前にオッサンと腹を割って話す事を提案する。
過去にトラウマのあるオッサンは怒り頂点に達したが、「仲間の思いを継ぐ事は出来る」と言うエマの説得で、何やら心を開いてくれそうな――と、そこに予想外の出来事が。
ゴールディ・ポンドには入るな、と言う警告の後、いきなりエマが何かに捕らえられる。
本当にこの漫画は読者に刺激を間断無く与えてくれるな。良いテンポだ。
気絶させられていたらしいエマが目を覚ますと、そこは何やら絵本のようなメルヘンな町並み。
座標を確認すると、A08-63なので、目的地はここであると同時に、オッサンがレイにその場所の説明をしているシーンが挿入される。
やはりA08-63はゴールディ・ポンドと言う場所で良いらしい。
と、そこに謎の子供が現れ、ここでは音楽が鳴ったら人狩りが始まると言う。曰く、貴族の遊び場と言う事だが、鬼の社会にも貴賎があるらしい。
ここでは狩られる為に子供がさらわれて来ると言う。
音楽が鳴るのが開始の合図で、再び音楽が鳴るのが終了の合図。これがゴールディ・ポンドで行われている事らしい。
要するに、ここに集められた子供達は、命がけの鬼ごっこをさせられている訳だ。
脱走の頭脳戦、脱走後のサバイバル、それで今回はデスゲーム要素までブチ込んで来た。
色々なジャンルが楽しめて、凄くお得感のある漫画だ。
エマは鬼ごっこの最中、他の子を率先して助けたり、その努力が実らなかったりで上がったり下がったりを繰り返していたが、最初に出会った子供から、その心意気や果断な行動を見込まれ、秘密の場所へと招待される。
そこにいたのは、鬼の世界や、ミネルヴァについてある程度事情を知っているらしい子供や青年、そして過去に死んだはずの、シェルターのオッサンの仲間だった。
その頃オッサンはレイと二人でゴールディ・ポンドへの潜入を今まさに決行しようとしている。
熱い展開だ。
ここで二人が出会えば感動的だが、場所が完全に敵地なので、そう易々と再開をさせてくれそうに無い。
良い場面でまた次の巻へと続くヒキな訳だが、どうにか二人とも生存してくれないかなあ、とドキドキしながら次の9巻を読みたい。