つづきです


入院の為の手荷物を持って、入院先である産婦人科病棟のナースステーションへ行きました。

書類を出すと
「しばらくかけてお待ちくださいね。すぐにお呼びします」
と言われたのでソファに座って待つ事にしました。


すると…

向こうから移動型の小さなベッドに入った赤ちゃんを運ぶ人がやって来ました。
私の隣に座っていた人が立ち上がり、その人の元へ駆け寄り「おめでとう〜!」と言いました。


産まれたばかりの赤ちゃんとママに会いに来たようです。


反対側からも小さなベッドを運んでくる人がやって来て、ソファに座りました。
少ししてから、その人の所にも面会の人が来ました。

それぞれの赤ちゃんとママを取り囲み、お祝いの言葉が飛び交いました。

笑顔あふれる幸せな空間。



私は、どちらの赤ちゃんもどちらのママも
見ることが出来ませんでした。
目の前を通り過ぎていく妊婦さんも見たくなくて、私はうつむくばかりでした。

なかなかナースステーションから呼ばれなくて、まだかまだかと耐えていましたがいたたまれなくなり…

遂に立ち上がり、
ナースステーション近くの壁にソファを背にしてもたれかかり、呼ばれるのを待つ事にしました。

涙が溢れそうでしたが、なんとかこらえました。



病室が妊婦さんと同室だったらどうしよう?と心配しましたが、病室の場所は妊婦さんだらけの所からは遠い病室で、もちろん妊婦さんもいませんでした。
配慮してくださったんでしょうけど、それならいっそ受付の時からもっと配慮して欲しかったな…なんて思いましたがそれは少し贅沢な望みですね。


スケジュール通りに進み、手術も無事に終え、退院。あとは、細胞検査の結果を待つだけ。
そこで結果が悪ければ、アウト。
私の選択は「子供は諦める」一択になる。



結果が出るまでの間、私は荒れに荒れまくり、おもに旦那に当たり散らしました。
結婚式も延期、もしかしたらさらに手術で妊娠を諦めなければならないかもしれない…でも友達から何人も妊娠報告が来ていて、中にはデキ婚までいて…
入院先で赤ちゃんに囲まれてあの空間から逃げ出したことも思い出し、
自分が惨めで惨めで惨めで惨めで仕方ない。
悲しくて辛くて。
泣いて喚いて嘆きました。



検査結果を聞きに行く日も、家を出る前から荒れてました。
「病院に行きたくない!」と何度も言い旦那を困らせました。
車が病院に着いてからもなかなか降りませんでした。
審判が下るのが怖かったのです。
私の気持ちの選択ではなく、
こんな形で、病気で、思っていたよりこんなに早く、子供を諦めなければならない時が来るなんて想像してなかった…


覚悟を決められないまま、旦那に腕を引っ張られて受付へ向かいました。
診察室へ呼ばれ、先生は言いました。


「ちゃんと全部取れていました。悪い細胞は残っていないようです。子宮はこのまま温存出来ますので、また不妊治療もして頂いて結構です。妊娠出産することも可能ですよ。」


想像とは真逆の結果報告で言葉が出ない私の横で、旦那が
「良かったじゃん!」
と大きな声で言ったのを覚えています。
(良かったじゃん、って何だよ他人事かよ…ってツッコミは後から心の中でしました  苦笑)


「ただ、頸部が短くなって流産の危険が増した場合には縛る手術をしなければならなくなるかもしれません。再発する事もありますし、定期的に検査をしに来てくださいね」


そう話す先生の前で、涙がポロポロ出た。
また挑戦できるんだ、まだ諦めなくていいんだ…
そう思ったら気が緩んでしまいました。


そこから定期的に検査を受け、もう暫く再発の心配はないだろうという時期が来てから不妊治療を再開すべくKクリニックへまた行ったのですが、
悪かった検査結果を連絡せず放置された事や、
それ以前にも一度、会計の際にもらった請求書に不明瞭な数字がありその場で受付の人に問い合わせたらその金額を返金された出来事があったのも合わせて不信感がどうにも消えず。
また途中で通院をやめてしまい、他の病院を探す気力もなく、そのまま不妊治療から遠ざかる事になりました。



諦めずに済むとわかって嬉しかったのに、
色んなことが積み重なり疲れてしまいました。
いつしか私は夫婦2人で生きて行くことを日常的に考えるようになりました。

引っ越すときも、
「2人で暮らしていくんだから別に一部屋減ったっていい」と前よりも狭い部屋に引っ越しました。
(なので今、狭くて仕方がない…)


旦那は元々そこまで子供が欲しいと言う人ではなかったし、不妊治療するかしないかは私に委ねていたので何も言って来ませんでした。
不妊治療のことを何か話せば私が傷ついたり荒れたりするだろう=面倒だ、というのが大きかったのでしょうが、ずっと1人で悩まなければならなかったのでそれはそれで辛かったです。




引っ越してから数年後、
やっぱりもう一度挑戦したい!と思い立つきっかけがあり再び不妊治療を始める事になるのですが、それはまた今度書きますね。



ちなみに、子宮頸部高度異形成の診断がくだる前の自覚症状はほぼ何もありませんでした。
不正出血がきっかけで検査をしてもらいましたが、大量出血というわけでも痛みがあったわけでもなかったです。
なので、まさか自分が?と本当にビックリしました。


妊娠してから頸管が短くなったと指摘されることはなく、手術を受けたことも伝えてありましたが先生に何も言われなかったので、結局何も手術することなく出産まで至りました(帝王切開)。 



定期的に検査することはとても大事だと思います。
自覚症状がなくても検査を受けたことがない方はぜひ直ぐにでも検査しに行くことをオススメします。
何もなければホッとするし、何かあっても1日も早い治療が出来ますので…。

私も産後まだ検査を受けていないので、もう少し落ち着いたら検査しに行きたいなと思っています。