こんにちは。

AC です。



今日は、「工芸社」のお話です。
#「展示の世界から求人が!?」乃村工藝社~1979


私は、展示・ディスプレイ会社「乃村工藝社」に入社したのですが、

「工藝社」という名前の会社は、それまで聞いたことがありませんでした。

「藝」は旧字体で、企業の歴史を強調している表現ですので、ここでは「工芸社」を考えてみます。


「工芸社」と名前につく会社は、いつも気になって見ていたのですが、

「仏壇屋」さんや「看板屋」さんに「工芸社」という名を見かけます。

何かを「つくる」会社なんですね。

また、「〇〇工芸」なら、「漆器屋」さんや「民芸品屋」さんにも多く見られます。

輪島塗「花器」
輪島塗「花器」



「〇〇社」という会社の名称は、「〇〇」活動をする会社だということを示しています。

「新聞社」は「新聞」づくりをする会社、

「出版社」は「出版」活動をする会社です。

ならば、「工芸社」は「工芸」づくりをする会社ということになりますが、

そもそも「工芸」が何か、わかるようでよくわかりません。



私たちが日常使っている言葉の多くが、明治期に入ってから生み出されたのですが、

「工芸」もその中の一つです。


明治期には、まだ言葉の枠組みが曖昧で「美術」はいろんなものを含んでいました。

「美術=視覚芸術」に純化していく中で排除されていった領域が「工芸」として生み出されてきたのだそうです。


「視覚芸術」が「見ることだけを目的として作られるモノ」だとすると、

「美術」は、

・作品それ自体で世界が完結するようなモノ
・実生活、現実世界と完全に独立したモノ

ということになり、

逆に「工芸」は、

・実生活、現実世界の中にあるモノ

ということになります。

ですから、「漆器」や「陶芸」だけでなく「仏壇」や「看板」も「工芸」に入るんですね。



工芸性とは広く、「素材」と「技術」によって生み出される造形性だと説明されます。


「展示・ディスプレイ」は、空間を媒体としたコミュニケーション手段の一つです。
#「展示・ディスプレイ」って何?~展示の第一歩1980

ですから、「乃村工藝社」は、あらゆる「素材」とあらゆる「技術」によるさまざまな「造形」で、コミュニケーションのための媒体となる「空間」をつくる会社だったのです。


その具体的なお話は、また別の回で♪



それでは、また次回(^_^)v



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