こんな市名はもういらない!―歴史的・伝統的地名保存マニュアル | ×××の記録

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書名:こんな市名はもういらない!―歴史的・伝統的地名保存マニュアル

著者:楠原佑介

出版社:東京堂出版

価格:2310円

発行日:2003年5月




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転勤が多く、ケンミンSHOWの京一郎のように各地に転々とした生活をしてたので(はるみはいないけど・笑)、地図を見るのが大好きで、地名も大いに興味があり、この手の本も多く読んできた。


今回読破したこの著作、はっきり言って最低。

アマゾンのレビューでもこの著者の作品はほとんど酷評されているのがよくわかった。
とにかくこの楠原氏、頑固で石頭で、「地名はこうである」という自論を全く曲げない人のようだ。


日本中の地名を考察し、本来はこういう地名にすべきという案を述べるというものだが、見事にいちゃもん付けてるだけ。

著者の考えでは、地名というのは、奈良時代?に書かれた「和名抄」や古事記、日本書紀などに出てくる伝統ある古来からの名前が望ましいそうだ。

いやはや、日本中の地名が1300年前に戻ってしまう。あり得ない、あり得ない。


全国の政令指定都市の区名を著者が◎○△×評価してるが、よほど昔の地名が好きなんだね、この人。

例えば北九州市の八幡北区・南区は、そもそもの市名だった「八幡市」がけしからんそうだ。

その理由は、明治初期に当時の3町村が合併したときに、適当な名前がなく、それぞれの町村とも「八幡宮」があったから「八幡」と命名したのが気に入らないらしい。だから北九州市が発足したときに区名で「八幡」を引き継ぐべきではなかったという自論。


でも私が思うに、そういう理由で命名された八幡も、明治以来100年以上の伝統のある地名になったし、明治の富国強兵、戦後の高度成長において「八幡製鉄」の名とともに、八幡は完全に認知されているはずだ。


こんな調子で全国の地名にいちゃもんをつけて、この市は奈良時代からの由緒ある「○○」とすべきだという、究極のクレーム本。


読んで損した。はっきり言ってこんなにムカついた本は久々だった。


この本は平成の大合併初期に書かれたものだが、さいたま市、南アルプス市、四国中央市、セントレア市、太平洋市ばかりになっても大きな問題だけど、今はおかしいという地名でも50年100年経てば、違和感なく受け入れるだろう。


散々非難された「さいたま市」ももう完全に馴染んだしね。

そういう私は「大宮市」にも「浦和市」にも「さいたま市」にも居住経験ありますよ。