それは、掃除機だ。
掃除機と言っても、ダイソンのようなコードレスのタイプではなく、がっつり昔ながらのコードがシュルシュル〜っと巻きとれる、フィルター交換が必要なやつだ。
むしろダイソンのハンディータイプは大好きで、保育園でも家でも、充電が無くなるまでブィーンという音を楽しんでいるのだが、なぜだか『THE掃除機』は、その姿を見るだけで、身体が岩のように固まり、警戒しながら後ずさりし、私に泣きついてくる。
そんな息子だが、3歳真っ只中。悪戯が日に日にパワーアップして、私も手を焼いている。
発達障がい児ならではなのか、お水で遊ぶのがやたら好きな彼。気づいたら服のまま、お風呂場でズクズクになっていたり、洗面所によじ登って水を出したり止めたり。何度注意しても、真冬でも関係なく、寒さもかえりみず、ブルブル震えながらでもお水で遊ぶ息子。
ある日、あまりにも言うことを聞かず、息子も意地になって、叱っても叱っても洗面所で遊ぼうとするので、こちらもカチンときた。
そして、私は無言で掃除機のスイッチをオン。息子に向かって吸い込み口を向ける。
息子はこの世の終わりのような形相で、泣き叫び、あっと言う間に洗面所から離れた!!!
怖がる息子を見ると、あぁ少しやり過ぎたかな?と反省もしましたが、私はここぞの秘密兵器を発見したのである。
それからというもの、洗面所の近くに掃除機を置き、いい抑止効果を発揮してくれている。