雪はよくスクッと立つ。
たまに、
「あ、今後はもう、2足歩行でいくのかな?」
と思わせることもある。
つかまり立ちする時もあれば、
つかまらない立ちする時もある。
思い返せばそれは、雪が来て間もない頃からそうであった。
これは家に来て間もない、まだ夫に「ブサカワ」と言われていた頃の雪である。
この時既に背筋をピンと伸ばし堂々とした様子で立っている。
会社をいくつか経営してそうな風格である。
これは散歩中に突然立ち上がって遠くの花を眺める雪。
まだ寒さが残る春の頃。
逞しくも美しく咲く花を風流に思ったのであろうか。
これは猫と仲良くなりたい雪。
なぜか立って近付くため、思いっきり警戒されている。
猫だけでなく、社交性が高い雪は人にも犬にも自分から近付いて行くことが多い。
たまにこのように立って近付いて行くのだが、人にはすこぶる評判がいい。
人以外の生き物にはめちゃくちゃ警戒される。
これは帰ろうとする飼い主に立ち上がって反抗する雪。
まだ公園で遊びたい彼の強い気持ちが力強い二足直立に表れている。
名残惜しそうに公園を眺めている彼の背中には哀愁が漂っている。
これは買い物するために彼を残して店内に入った私を呆然と見送る雪。
連れて一緒には入れないんだ。
ごめんな。
同じ場所での冬バージョン。
服を着れば入れると思ったかも知れないがやっぱり一緒には入れないんだ。
ごめんな。
おもちゃで遊ぶ時も二足を忘れない。
むしろ四足を忘れているようである。
夫の話では、雪は私を待っている時によく立つのだそうだ。
それは立った方が遠くまで見渡せるからであろうか。
一刻も早く私の姿を見つけようと、一生懸命立ち上がって遠くを見ているのかもしれない。
そう思うと、健気な雪の立ち姿が一層愛おしく思えてくる。
もちろん、
ただ四足を忘れているだけの可能性も捨てきれないが。








