彼(サムエル)は、眠りに就いてからも預言し、王にその最期を予告し、また、民の不法を、取り除こうとして、地の底から声をあげて預言した。―シラ書46章20節
シラ書44章から50章は、アブラハムやモーセ、ダビデなど、イスラエル史の偉人を列挙して称讃する箇所ですが、その中にサムエルも含まれています。
さて問題なのは今日の聖句。サムエル記上28章6-25節では、苦境に陥ったサウル王が女霊媒師を訪ねて、サムエルの霊を呼び出す場面が描かれています。JWの見解では、人は死後無になるので、霊媒が呼び出したのはサムエルを装った悪霊であるとされていますが(塔10/1/1)、どうやらシラ書の著者はこれを本物のサムエルだと考えていたようですね。
同じ知恵文学でも、JWがよく引用するコヘレト(伝道の書)9章などでは死者は何も知らず陰府には仕事も知識も知恵もないと説いていますが、一方でこのシラ書のような箇所もあるわけで、聖書の思想は一筋縄ではいかないものだということを、改めて認識させられます。