有馬温泉「陶泉 御所坊」に宿泊し、六甲山をロープウェイとケーブルカーで越え。芸術家の綿貫宏介ワールドを温泉旅館で体現したのが「陶泉 御所坊」。
綿貫ならではの、南欧チックでありつつ古き良き中国や日本の意匠を組み入れた独創的な世界観の中で、ゆったりとした時間を過ごすことができました。
有馬温泉へは、三宮から市営地下鉄→神戸電鉄を利用。
有馬温泉へは2回も乗り換えなければならないのですが、どれも接続がスムーズで特に問題なし。
大雨の大変な天気のなか、温泉娘がお出迎え。
大雨による有馬川の増水で、有馬川親水公園は、完全に濁流の中。
こんな様子ですが、治水対策のためか、川の水面と道路の高低差が相当に深いため、特に影響なし。
鉄道の有馬温泉駅も阪急バスターミナルも歩いてすぐ。
そして「陶泉 御所坊」は、阪急バスターミナルのほぼとなり。
ロビーの様子
奥の鉄板焼きレストラン
お土産コーナーでは、綿貫宏介氏がプロデュースしている本高砂屋のお菓子マンデルチーゲルを購入(客室の茶菓子になっていて美味しかったので)。
客室はスタンダードタイプで、三つある建物のうち、戦後すぐに建てられたという建物にある客室。
中庭が簾を通して眺められる落ち着いた部屋。
ピュアな古き良き日本ではなく、なんとなく洋のテイストのあるのが、他の高級旅館と違うところで、神戸(有馬温泉も神戸市内です)ならでは。
こんな感じで綿貫宏介のデザインの湯呑み。
すべてにわたって綿貫宏介の意匠がで統一されており、こうした一貫したディレクションは、客に素晴らしい居心地の良さを提供してくれる。
飴ですが、飴よりも敷き布のデザインが本当にオシャレ。
共有スペースでも、こうやって美術館のように展示され、建物全体が綿貫宏介の美術館のよう。
素敵です。
こちらはダイニングルーム。
洋のテイストが、神戸らしい、というか、センス抜群。
今回のメニュー。
寄せ盛りの
蓋を開けるとこんな感じ。
はまちや鰆など。
日本酒も綿貫宏介デザインの丹波の日本酒「小鼓」純米生酒。
オグラなどの各種夏の野菜の天ぷら。
この鰆は、秀逸でした。
確かにご主人のブログ(note)で紹介されている通り、相当に手間暇かけた焼き魚とのことですが、食べて一口でその違いがわかります。
簡単にいうとジューシーな身とパリッとした皮の食感が素晴らしい。
神戸牛は、地元では皆「神戸ビーフ」と呼んでいます。
もともと牛肉は神戸に居住した外国人が始めた食慣習で、彼らは神戸牛のことを「KOBE BEEF(神戸ビーフ)」と呼んでいたことを尊重してあえて「神戸ビーフ」と呼んでいるらしい。
最後の白飯とお味噌汁。
抹茶のババロア的デザート。
綿貫宏介のアートガイドツアーの紹介(東灘区)。
夜の御所坊。
肝心の温泉ですが、他の温泉では見たことないような独特の温泉。塩分の濃度が高く鉄分が酸化して茶色に染まった温泉は、近隣の共同浴場「金の湯」と同じ泉質。
温泉に浴場は、撮影禁止なので写真貼りませんが(写真は有形登録文化財の印)、
半混浴になっていて、妻と私だけの時は半露天のそれぞれで会話ができる、というこれも他では見たことない独特の作り。
(御所坊H Pより)
有馬温泉で「源泉掛け流し」方式をとっているのは珍しいらしい。以下内容をみると「塩分が高い」ということがいかに維持管理に苦労するか、理解できます。
ここも綿貫宏介の篆刻的意匠。
建物的に三つの建物が合体している構造なので、バリアフリーではなく、複雑なつくりなので、脚の悪い高齢者にとっては辛い旅館では、あります。
朝の朝食の目玉が、丹波黒豆を使った湯豆腐。
炭で保温した特別な容器に入れていただきます。
がんもどきも、銀杏入りで美味しい。
鮭の焼き物は、塩味が薄く、それだけで普段食べている塩鮭との違いを感じる。
食後は、セルフでコーヒーが飲めるようになっているのはありがたい。
朝の光を浴びたダイニングルームは心地良し。
珍しい木製の歯ブラシ。
チェックアウトの10時に会計し、荷物を預かってもらって、有馬温泉街を散策。
こちらは旅館近くの共同浴場「金の湯」。
温泉源は神社で祀られている。
さすが日本最古の温泉。
今放映中の大河ドラマで登場する藤原道長も有馬温泉に湯治に行ったとか。。。
有馬温泉は狭隘な峡谷にあるので、道も細く上下動も激しい。
こちらも典型的な有馬温泉の地形。
江戸時代に流行った相撲形式の番付では、有馬温泉は西のトップの座を獲得するなど、やはり古くからその名声は高かったらしい。
こちらは炭酸泉だという共同浴場「銀の湯」。
残念ながら未利用。
浄土教のお寺も
散策途中にかわいらしい柴犬発見。
六甲ロープウェイへは、宿のロンドンサクシーで送っていただきました。
こちらが六甲ロープウェイで、フォントが昭和っぽくて逆にクールな感じ。
行列に並びつつ、乗り込む
個人的にロープウェイのお気に入りのポジションは、後ろ。
基本景色は上の方を見るのではなく、下の方を見るほうが好きなのです。
有馬温泉の街並みをロープウェイから望む。
下りのロープウェイと交差しつつ、
一気に六甲山頂に向かいます。
六甲ガーデンテラスから、有馬温泉とは逆側の大阪湾の景色を望む。
こちらは、淡路島方面。
六甲山中は、路線バスが周回しています。
こちらはイングリッシュガーデンの先にある見晴らしの塔。
バスに乗って、六甲ケーブルカー乗り場に向かいます。
昭和一桁代に作られた駅だけあって、当時流行っていたアールデコ調のデザインがオシャレ。近代化産業遺産にも登録されたそうです。
駅の上も展望台になっており、六甲ガーデンテラスよりも標高が低いので、より近くに神戸の街並みが望めます。
急傾斜の六甲山にマッチするようなケーブルカーの作り
正面の窓から神戸の街並みを眺めつつ下っていきます。
天井もガラス張りのため、開放感も素晴らしい。
駅到着。
六甲ケーブル下駅からは、路線バスで阪急六甲駅へ。
同じ神戸市内と言いながら、六甲を挟んで山側と海側では全く別の様相を見せる神戸市。とても魅力的な街です。