女性差別解消には「女性が弱者」という認識をなくすことも必要 | 52歳で実践アーリーリタイア

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52歳で早期退職し、自分の興味あることについて、過去に考えたことを現代に振り返って検証し、今思ったことを未来で検証するため、ここに書き留めています。

最近話題の女性差別に関して、女性差別は「女性が経済的弱者」という認識を徹底的に排除しないと、完全になくならないのではと思っています。

 

「男の家事負担」に関しては、よく話題になりますが「女の家計負担」に関してはあまり話題にならないのが、いい事例です。

 

私は、女性従業員が圧倒的に多い、男女平等が徹底した企業に30年働いてきたので、特に仕事能力に関して男女に全く性差はないと実感しています。優秀で尊敬できる女性上司にもたくさん出会いましたし、これは部下も同様。

 

しかし一方で、マクロ的には男性の方がキャリア指向が高かったのは間違いありません。男女関係なくキャリア志向が求められた立場において「女性は実際には弱者のままでいい」という甘えの意識が実は働いていたのでは、と私個人思ってました。

 

また、観光旅行に伺ったドバイでは、女性と子供は徹底的に守られ、男性が女性や子供を守るべく、女性や子供を優先的にいい席に座らせたり、女性と男性の車両を分けたり、女性や子供を守るために、男性が結婚する前に婚約者から収入や資産に関してチェックが入るなど、男性は一家の大黒柱として全責任を負う、みたいな感じでした。つまり弱者としての女性を前提にした社会

 

私は「権利と責任&義務は表裏一体」の社会が、正直者が馬鹿をみない公正で真っ当な社会だと思っているので、ドバイもその意味では公正な社会で、男性に責任があれば、権利も当然男にある、という風になっています。

 

アラブの王族系独裁国家全体では、議員数も女性が増加するなど(でも独裁国家)、だいぶ男女差別は無くなってきたとはいうものの、未だ厳然と残っている様子が現地にいくとよくわかります。

 

 

実は「女性が権利を主張するなら責任も相応に負うべき」となると、女性側からみれば、ある意味では、いいことばかりではありません。「男女平等は全ての女性が賛同する」みたいな感覚になりがちですが、女性差別をなくせば、女性の弱者としての特権もなくなるので、嫌がる女性も実際には多いのではないでしょうか?

 

「女性が弱者」を前提にした日本の代表的な優遇制度は、第3号被保険者制度などの社会保険や配偶者控除などの税優遇。社会慣習面においてもドバイ同様「男性が女性を経済的に養う」みたいな価値観が当たり前のこととして残っているように感じます。

 

例えば、結婚の条件に、男性の所得が話題になるのなら、なぜ同じように女性の所得は話題にならないのでしょうか?

 

あるいは、専業主婦家庭の夫に「定年退職して夫は暇なんだから家事を手伝うのは当然」というよくある妻の主張も、おかしな話です。夫に家事を要求するなら妻は相応の家計負担をすべきです(でも男性側からみると老化防止には家事手伝った方が良いのですが)。

 

ちなみに私の場合、アーリーリタイアは私の給与所得をベースに実現しました(その代わり家事は妻が担っています)。「お金は夫、家事は妻」ということです。ただし妻がフルタイムで働いていた時は妻も若干 家計負担し、私も若干 家事負担してました(個人的にはこっちの方が良かった)。

 

つまり私の場合はどっちの役割でもいいのですが、日本の社会通念的には、未だ「お金は妻、家事は夫」または「両方折半」という価値観は当たり前になっていないように感じます。

 

ちなみにドバイとは真逆の北欧諸国(ノルウェー・スウェーデン・フィンランド)にも行きましたが「専業主婦は女性にとって後ろめたいこと」になっていて「女性にも男と同等の権利がある以上、女も責任を担うのは当たり前」な社会。壮年期の女性が仕事していないとフシギがられる、と現地人と結婚した添乗員の女性が言ってました。そもそも「専業主婦」という立場は歴史上も全世界上も超マイナーな立場なので、これは北欧だけではないと思います。

 

 

フェミニスト運動が盛んだった70年代のアメリカを紹介した「ミセスアメリカ」という米ドラマを先日WOWOWでみました。女性の権利を、男性と同等にしないよう政治活動をした実在の女性活動家「フィリス・シュラフリー」のほか、フェミニスト運動の旗手たちが主人公になったドラマです。

 

一見、なぜ女性自身が男女差別を残すよう政治家活動するのか、理解不能かもしれませんが、彼女の主張はロジック的には決しておかしなものではありません(彼女自身のライフスタイルは別)。

 

彼女は、社会保障制度の「扶養妻」「徴兵の免除」などの「弱者たる女性としての特権」を守るべく政治活動を全国展開するのです。

 

弱者としての権利を守る以上、職業上などの男女平等は不要」というわけです。

 

 

以上、女性差別問題になると、すぐに「女性の権利」ばかり注目されますが「女性の責任」にもしっかりスポットを当てないと、おかしなことになるのでは、と思います。

 

結婚してラクしたい」と思っている女性が数多くいる限り、いつまで経っても女性差別はなくならないでしょう。