acceptablyのブログ
Amebaでブログを始めよう!

デイトレードを資金調達の方法として再定義する

FXトレードや株式トレードをすることは金儲けしているだけであり、世の中に価値を産んでいない、と表現することがある。その点について、少し視点を変えて捉えてみた。

 

トレーディングはお金の再分配方法のひとつである

 

トレードはお金の集め方の一形態なだけである、という視点だ。例えば、事業を立ち上げたり、困った人を助けたい、という企画に対して、動力源のひとつとしてお金を必要としている場合、お金の集め方にいくつかの方法がある。自分で仕事をして貯める、親や知り合いから提供してもらう、補助金などに応募して調達する、また、現代的な方法では、クラウドファンディングがある。どれも、世の中に分散しているお金の再分配の手順と言える。

 

さて、トレードにて起こっている現象は、FX(為替)や株式、ICO(Initial Coin Offering)等の資産の売買である。そのマーケットで、対象資産を買いたい人と売りたい人をマッチングして、市場原理にて価格を取り決めて、取引を成立させている。ただし、その取引には、対象資産そのものの必要性ではなく、その取引の結果として得られるゲインを目的にしている人の方が多いはずだ(正確に調べて訳ではないので推測である)。その取引による利益を求めてせめぎ合うゲームの主戦場とも言える。そのため、売り買いの結果は勝ち負けとして捉えることができる。利益が出れば勝ち、そして、その結果お金を稼ぐことができる。つまり、トレードの結果、負けサイドから勝ちサイドに対して、お金が移動するのだ。

 

では、トレードの結果、お金が移動する、というところに焦点を当ててみよう。負けサイドにとっては、感情的には、お金を奪取されたと感じるだろう。しかし、勝ち負けというゲームという視点から離れて、資産としてのお金に焦点を当てると、トレードで起こることは、お金がある場所から別の場所に移動させる行為と言える。つまり、これも(負けサイドの思惑・意向・感情はともかく)お金を集める方法のひとつなのである。

 

もちろん、売買の中で高く買って安く売るための鍛錬とその結果の職人技が必要となる。その職人技とは、ギャンブルのように勘による未来の予想し闇雲に資金投入するような感情的な行為を回避するために、エントリーとイグジットの価格(タイミング)を確率論的(論理的に)に特定するためのテクニカル分析と、エントリーに対して投入する資金の大きさの管理方法である。それらを体得するには鍛錬が必要だが、身に付けば、動力源としてのお金を継続的に集める方法を手に入れることになる。

 

トレードはお金を集める方法である。ベンチャーキャピタルやクラウドファインディング等の場合は、調達するための理由について、客観的なデータによる説得か情熱による説得が必要になる。しかし、トレードの場合は、トレードの相手に対して調達の理由の説明は不要だ。その代わり、職人技の鍛錬が必要になる。しかし、トレードに対する技を体得したならば、正式で効率的な手順で、マーケットの向こう側に分散して存在し、且つ、総体としては有り余っているお金を提供してもらえることになる。

 

なんらかの目的でお金を集める必要があり、且つ、資金提供者に対してその目的を説明することに強い抵抗があるならば、トレーディングは資金調達のひとつの方法だ。その方法を習得して、マーケットに向こう側にいる「資金提供者」から有り難くお金をいただこう。ただし、意図せず自分が資金提供者になること、つまり、負けサイドになってしまうリスクも正しく理解してから始めよう。