司法試験に合格するための小手先の勉強法

司法試験に合格するための小手先の勉強法

2回目でリベンジ合格の法学未修者です。

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はじめに

最近、ブログの訪問ワードに「未修 勉強法」などが増えているのでちょっと書いてみようと思います。

前回の通り 、未修者は既修者に比べ総勉強時間で圧倒的に不利な立場にあります。できるだけ短い期間で「司法試験合格」という目標を達成するためには、優先順位を明確にし要領よく3年間を過ごす必要があります。そのためには勉強する対象を取捨選択する必要がありますが、そもそも法学を学び始めたばかりで右も左も分からない状態なので自分で見極めるのはかなり大変です。結果として最初の1~2年は後から見返すと無駄な動きが多くなりがちです。

以下では私が合格までの自分の勉強を振り返って思うところをまとめました。


勉強の全体的なイメージ

私はローを3年で卒業できたものの、卒業後最初の司法試験は落ちてしまったので余り偉そうなことは言えませんが、未修者の理想的な法学修得のイメージは以下のようなものではないかと思っています。

1年目: 基本的な知識について一応の理解をする

2年目: 基本的な知識を修得する

3年目: 基本的な知識を応用して発展的な問題にも対応ができるようになる

ローで勉強をしていると、法学には学者の先生方が頭を使われて色々と議論されている難解な問題が沢山あることに気付かれると思います。しかし、司法試験で出題されるのはこの「難解な問題」についてではありません。司法試験で出題されるのは「応用問題」、つまり基本さえ修得出来ていればその場の応用力で対応できる問題なのです。なので、とにかく基礎を早くしっかり固めてしまうのが合格への近道だと思います。


基本書選び

基本書選びで大切なのは悩みすぎないことです。

未修1年目は「○○先生の本が~」みたいな話が飛び交っていて、話についていけず不安になることもあるかと思います。しかし、未修者が色々な基本書を並行して読み、理解することは不可能ですし、むしろ基本的な知識を必死に理解しようとしているべき時期にそんなことをしている時間はないです(未修者は1年目で7科目全ての基礎を作らないといけないということを常に肝に銘じておきましょう)。

そこで、未修1年目の基本書は、各科目(又は科目によってはその中の各分野)につき1冊あれば十分だと思います。原則的には「判例通説」に拠っていると言われている基本書にしましょう(修習が始まり実務を見ていると判例の圧倒的強さを感じます)。ただ、基本書との相性もあると思うので、最初の数週間くらいは自分に合う基本書をローの資料室等で探す作業をしてもいいと思います。その場合、受験生の間でそれなりに評価されている基本書であれば受験対策としては大丈夫です(基本書についてまとめているブログも沢山あるので参考にして下さい)。1冊選んだら、余程のことがない限りそれを「メインの基本書」として相棒のように扱い、条文チェックをしながら何度も読みましょう。

2年目以降はこれに加えて辞書的なサブの基本書(通読には適さないが分厚くて情報が豊富な本)が必要になります。会社法で言うと江頭、民訴で言うと高橋あたりです。でもこれらの本はあくまでも、メインの基本書の理解を深めるためという位置づけでいいと思います。2年目以降は、授業の中でも「○○説によると~~になる」というような話が出てきますが、それについては(3年次の発展的な授業でない限り)このサブの基本書でほぼ対応できるかなと思います。頭の整理のためにそれぞれの説を一応理解しておくことは大切ですが、関係する基本書を全部読まないといけないということはありませんし、授業である説が推されていたからその説をとらなければ司法試験に合格できないということもありません。むしろ、メインの基本書と違う説を部分的にとってしまうと論理矛盾が発生する可能性が高いので注意して下さい。

なお、念のため付言しておくと、以上は法学未修者が司法試験に早く合格するために最低限必要な基本書選びという視点で書いただけであり、判例通説ではない諸学説そのものが無駄だという趣旨ではないです(学者の先生方が蓄積されてきた知識、成熟させてきた議論は法学の発展に欠かせないものですし、多くの先生を学者として教員としてとても尊敬しています)。また、上位合格している人は判例通説以外の学説も良く理解しているので、きっと私には全然理解できないレベルで諸学説も司法試験で点を稼ぐためには重要なのだと思います。


判例は百選

百選はケチらずに入学直後に買ってしまいましょう。未修1年目は判例の原文に当たっている時間はないと思いますが、せめて百選は全て読み終わるよう頑張ります。授業で扱わなかった判例でも、夏休み、春休み等を利用して百選を1周しておくと、2年目からが少し楽になると思います。

ちなみに私はきちんと1周できなかったダメなロー生でした。おかげで既修者と共に授業を受けるようになった2年目以降に百選掲載判例も知らないバカさ加減を何度も披露してしまいました。

2年目以降は授業によっては判例の原文や調査官解説を読む必要が出てきますが、これはその都度必要な範囲で図書館等を利用して対応すれば十分だと思います。司法試験に最低限合格するためには、百選で引用されている部分をきちんと理解出来ていればなんとかなるというのが合格してみての感想です。

ただし、憲法と民訴は例外です。憲法は判例そのものの重要性が高い科目なので、メジャーな判例については判例原文、調査官解説に当たる必要があります。民訴は受験生に判例を批判させる問題が出されることが多いので、判例そのものを正しく理解した上で判例評釈等まで読み込んでおく必要があります。これらの作業は2・3年次にローの授業に合わせて地道に進めて下さい。


演習書を読む

演習書には2つの使用方法が考えられると思います。1つは本試験の練習として使う場合、もう一つは基本書で学んだ制度についてその具体的な適用方法を理解するために使う場合です。未修者の1~2年目は後者の使い方で演習書を沢山「読む」」のが理解を深めるためにはよいと思います。基本書の内容はもっぱら抽象的なものなので、演習書で具体例を沢山読み、「あぁ、こういう場面であの条文を使うのか」という抽象論と具体例を繋ぐ作業を何度もするのが有効な勉強法だと感じました。

ですので、この際に使う演習書は司法試験レベルのものではなくていいです。問題文は短めでいいので解説がしっかり書かれているものを選ぶといいと思います。また、時間に余裕があれば逐一答案を作成できれば素晴らしいですが、実際にはそのような時間はないと思うので演習書を読むだけで十分です(もちろん条文チェックは六法で必ず行いますが)。司法試験レベルの演習書を使って実際に答案を書き始めるのは、2年目終了後以降とかでもいいかなと思います(普通、3年次は授業も減って可処分時間も増えるので)。


択一対策は早めに

私がロー生活で一番後悔しているのは択一対策を早めに始めなかった点です。択一は細かい知識が問われるので、初学者には本当に食いつきにくいのですが、2年次が終わるまではせめて新司になってからの過去問は全科目1周しておいたほうがいいです(今年から択一の科目数が変更されたので、新司ではなく旧司の過去問をやったほうがいいのかどうかは今年の傾向を見て確認して下さい)。

私が本格的に択一対策を始めたのは3年に入ってからで、新司過去問を1周回すのに思った以上に膨大な時間がかかってしまい、その結果、論文試験対策に割ける時間が減ってしまうという悪循環に陥ってしまいました。不合格だった1回目、合格した2回目共に択一は何とか通過したのですが、直前期まで択一足切りの不安が付きまとってしまい精神的にもキツかったです。

ちなみに未修者にとって択一の1周目は地獄です。全く意味の分からない問題が沢山でてきて自分の知識のなさに絶望します。そして、やっと1周終わった!と思い、2周目をやってみると殆ど忘れていて更に絶望します。でも、1周目の時にしっかりと時間をかけて解説を理解し、条文をチェックしていれば、2周目は一見忘れているようで解説を読んだときの理解のスピードが違うので、やはり頭のどこかには残っているんだと思います。ですので、めげずに地道にコツコツ進めて行きましょう。


過去問を解く

以上に挙げた基礎部分をしっかり築き上げているのなら、司法試験の過去問を解き始めるのは2年次が終わってから(3年次が始まる前の春休みから)でいいと思います。1周目の答案はボロボロだと思いますが、出題趣旨・採点実感・優秀答案をよーく読み込み、司法試験でどのような答案が求められているのかを知りましょう(この点については、「不合格後にしてよかったこと(出題趣旨及び採点実感の使い方) 」参照)。


さいごに

以上、長々と偉そうなことを書いてしまいましたが、私は実際にはこのように素晴らしい3年間は過ごせていません。ただ、今振り返ってみて、実際ここに書いたようなことができていれば、1回目の司法試験で合格できていたのではないかと思います。

あと、未修者はそもそもロースクールを無事3年で卒業することも大変です。ローによっては教育内容に癖があるので一概には言えませんが、上で挙げたような勉強はローの予習復習の間の時間や、夏休みや春休みを実質潰して行うことになるかと思います。長期戦の体力勝負になるので、体調管理に注意し、具合が悪いときは無理せずにしっかり休んで悪化させないようにしましょう。精神的にも病んでしまう人も多いので、メンタルも大切にしましょう。

この記事が少しでも後に続く未修者の方の役に立てば嬉しく思います。頑張ってください。