現在怪我から4日目で手術をする必要があるのかないのかまだ迷っています。この経過をつづって同じ悩みの方が自分の判断材料としてもらえればと思います。ただし、この報告は私が実際経験していることですが、一例として受け取ってくださいね。
12月17日夜(怪我当日)
会社からの自転車で転倒し、左肩を強打する。この時期銀杏の葉が道路を覆っていたのと前日雨だったことが重なり滑りやすかったよう。
肩は痛かったが家にはなんとか帰宅。そのまま朝まで寝ることはできた。
12月18日(二日目)
強打した左肩が痛み鏡を見ると左の肩の骨が出ている。妻もびっくりし病院に行く。車で送ってもらったので病院まで行けたが、歩いたり自転車は無理。
病院で受付して順番がくるまで我慢。状況を連絡しベットに横になり、まずはレントゲン撮影。初めてストレッチャーで病院内を移動。天井を見ながらの移動は何か変な感じ。
レントゲンは横たわった状態で撮影、背中の下に何やら板を入れたりするのに体を少し移動するにも左肩がめちゃくちゃ痛い。
レントゲンが終わり整形外科の場所まで移動。少し待っていたら整形外科の先生が来て肩の状況を診察。骨が出ている場所を押され激痛。
次ははCT撮影でストレッチャーに乗りCTの部屋まで移動。廊下の凹凸が肩に響く。こんなところも気おつけてもらえるとうれしいのになあとこの状態になって感じる。
CTに少々関係している仕事柄、何のCTを使用しているかに興味津津。ここのCTはT社製80スライス。なかなかハイスペックのCTを入れているよう。さてベッドの動きはどうでしょう。
ガントリー内までの移動が速い!!しかし加速が速いので肩に痛みが走る。こんな加速が何で必要なのかが疑問。もう少し加速値を低くしても十分ではないかと感じる。速いことが何でも良いということではないと感じる。加えて加速時はSカーブであるかどうかは正直体感できなかった。もしかして台形制御ではないか。 患者の体の位置を微調整するのにピッチ送りするんだがこれも加速がむやみに速い。ぐんぐんぐんとピッチ送りをされると体には堪える。こんなところも患者として経験しないとわからないことだと思う。
ベットの上下にも体には堪える。こちらはおそらく油圧で上下動の制御をしていると思う。サーボモータで制御していないので位置完了時に少し下に体重と重力で下がるのだがこれも痛みがある体にはよろしくない。CT一台の価格にすればサーボ使っても安いんだから、T社さん改善お願いします。
最後にもう一点、CTの移動ベットにストレッチャーから移動されるのだが、これが大変。肩は痛いしやっと移動した後もCT撮影に最適な位置に移動するのに体を横移動しなくてならなく引っ張られる。ベットの横移動があれば楽なんだが。他社には横移動できるCTベットがあるようです。
話は怪我の報告から外れたようなので話を戻します。これからが大変なんですよ。
整形外科の先生2名が診察と説明に来る。一人は近隣の前某大学整形外科教授で現在は近隣の病院から来ている先生。そしてもう一人は整形外科部長。
整形外科部長がいろいろ説明してくれ、GradeⅢと判断。靭帯3か所切れていて手術が必要ではないかと。ショック! 肩は痛いが動くしこの年末の時期に何でっ。パウダー用のスノーボードの板も肩落ちで購入し休暇もとっているのに。
先生の説明の中で手術しないという判断もあるとのこと。この先生曰く最近アメリカの文献で手術をしないほうが良いという説も出てきているとのこと。手術をした患者としなかった患者の満足度は同じだったということも書いてあるらしい。それでは手術しないほうが良いのではと思う。しかし、先生曰く、手術しないと手が上がらないとか痛みが残ることも考えられるとのこと。65歳以上であれば保存療法をすすめるが私には今後のことも考えると手術がいいのではないかと。ただし判断は自分でということも付け加えられる。もう一人の前教授の先生は保存療法のことなど言わずに手術が良いときっぱり。整形外科部長が前教授がそう言っているんだし年内に手術もできるというんだからと言われ、手術をする方向に心が動く。
診察もとりあえず終わりストレッチャーから起き上がろうとしたら激痛が肩に走り、痛すぎて血圧が下がり吐きたくなり動けない。もう一度ベットに横たわり血圧が上がるまで待機。入院するかと言われるが、自分では入院することは考えられなく、もう一度腕を痛くない位置に固定する。とりあえず無事帰宅できる。
↓これ私のCT画像です。右に見えるのが左肩で痛々しくずれていますね。
12月19日(三日目)
推薦状をもらって手術の出来る病院に行く。家からそんなに遠くはないのだがこんな立派な病院があるとは知らなかった。
前日と同じくレントゲンとCTを撮る。昨日撮影したCDを持参しているんだから診察にはこれを使用すればいいのではないかと思う。これも病院のもうけ主義かなと思う。これじゃ健康保険は大変だ。
この病院もT社のCT。ただし、こちらは16スライスで今日ではスペックの低い機種。ガントリのインターフェースも液晶表示が少なく旧機種だなあという感じ。驚いたのはこちらのほうがベットの移動速度が遅いようで加速もきつくない。旧モデルのほうがベットの移動に関してはフレンドリーなよう。
どの業界でも繁盛している会社は良い設備をもっているもの。この病院どうなのかなと疑問に思い、少なくとも64スライスCTくらい今時入れていてもいいんじゃないかなと思う。病院が使用している医療機器からそこの病院を判断する一つの材料になるかもしれない。
その後診察。CTで撮影した3D画像をみながらこの整形外科部長から説明を受ける。この先生も手術するか、しないかはあなたが決めてくださいとのこと。同じような怪我で手術をした人, しなかった人ではその後どのような経過をたどったかを教えてもらえないかとの質問したが、痛みが出たかどうかはその後病院に帰ってくるケースが少なくわからないらしい。そして手術をしなかった場合は、骨がづれているので手が上がらないや痛みが出る可能性はあるが、出ない可能性もあり、後はご自身の判断で手術をしてくださいとのこと。手術するかもう少し考えてみますか?と言われてどうしようか悩む。そして、ここでこの手術をすると2回手術が必要なことを知る。1回目は肩を切ってプレートで骨を固定。そして約3ヶ月後に手術して埋め込んだプレートをとる。どちらも全身麻酔が必要。
骨がづれている3D画像や他の先生からも昨日手術したほうが良いのでは言われているので、手術することを決断。自分で判断できる情報が決定的に欠けているのに、決断は患者がしてくれという病院側。後で思ったが先生が逆の私の立場であればどうしますかと質問すればよかったと後悔する。
その後手術前の検査、採血、肺活量検査、心電図検査をする。約一時間後またこの執刀医予定の先生に会い手術に関しては問題ないことを説明される。次に看護婦から手術に関する説明を受ける。手術前日に入院し、次の日2時頃から手術、そして次の日には退院らしい。いやあ大変だ。
まだ終わらない、今度は入院の事務手続き。いろいろな書類を渡され終了。
肩の痛みは前日に比べると楽になり、前日が10だとすると5くらいだろうか。三角巾で腕を吊っていれば問題なく歩くことはできる。
12月20日(四日目)
手は怪我前のようには上がらないが、無理をすれば激痛もなく腕は90度までは上げることは可能。腕を固定していれば痛みはなく、不自由なくパソコンのキーは打てる。 この怪我で本当に手術が必要なのか疑問に思う。そしてあの先生が言ったコメント、「アメリカの文献で最近手術をしないという文献も出てきている」と言われたことが気になる。そして疑問解決のためインターネットによる調査開始。
まずは、日本語の肩鎖関節を英語ではAcromioclavicular Jointというらしい。発音は難しそう。そして短くAC Jointというらしいので、ここから私のニックネームにしました。
まず目に留まったのがアメリカでトップランクの病院、Johns Hopkins Medicineの整形外科サイト。この病院はとても有名です。日本で医療関係者でなくても名前くらいは聞いたことはあるのではないでしょうか。もちろん医療関係者は知らないはずありませんね。
直訳すると、「手術が必要であるかどうか潲でしょうか。英語で読める方はそのまま読んでください。
http://www.hopkinsortho.org/ac_joint.html
Johns Hopikins Medicineのサイトから抜粋
When is surgery indicated?
The good news is that a majority of Grade I, II and III injuries do not need surgery. Even the grade III injuries usually allow return to full activity with few restrictions. There are some surgeons who recommend surgical treatment for high caliber athletes who throw a baseball for a living, but a vast majority of people do not need surgery for this condition. There are rare variations of this injury where the collarbone is higher than usual and almost sticking through the skin. In these cases surgery may be indicated but careful consideration should be given to the advantages and disadvantages of surgery. The advantage is that the deformity at the AC joint is corrected, but in exchange there is a scar on the shoulder. Another advantage for the very severe deformity is that it will eliminate pain if the end of the collarbone is rubbing the skin or muscle. Disadvantages of surgery are that there are risks of infection, a longer time to return of full function and continued pain is some cases. Surgery can be very successful in cases where it is indicated.
ほとんどのグレードⅠ、Ⅱ、Ⅲに該当する怪我では手術を必要としないと書いてあります。そしてグレードⅢであっても通常少々の制約はあるが快方するようで、野球のボールを投げるようなことを職業にしているアスリートには手術は必要であるが、大多数の患者は手術を必要としないと書いています。自分の場合利き手と逆の左肩で、職業はアスリートでもありません。稀なケースであるが肩鎖関節が通常より高くづれていたり、皮膚から骨が飛び出すような場合は手術を勧める場合があるらしく、熟考が必要で良い点悪い点を説明しないといけないと書いてあります。下にできるだけ正確に要約します。日本語訳はニュアンスが変わる場合があるので、英語で読める人は英語で理解したほうが良いと思いますよ。
手術をするメリット:
ー肩鎖関節が元の位置に戻ることで、骨が飛び出さない。そのままだと不格好なので綺麗に見えるということですかね。これが最初の説明で良についてかっていう感じです。通常服は着ているので、自分はあまり気になる点ではありません。
ー骨が飛び出す程度が重度の場合、鎖骨の端が皮膚や筋肉に擦れることによる痛みを取り除く。自分の場合はそこまで重度ではないようです。
手術によるデメリット:
ー肩に傷が残る。メスで切れば当然ですね。
ー手術による感染。これは病院側できちんとしてもらわないと。
ー完全復帰まで時間がかかる。
ー若干の患者は痛みが続く。Some casesと言っているところが微妙です。Many casesでもなければA Few Casesでもない。 日本語でいうならば、若干の患者ではということでしょうか。この表現をどうとるかは読者に任せます。
次に調べていくと手術方法もいろいろあることがわかりました。
目に留まったのが、Houston Methodist Hospitalのサイト。この病院正直あまり知らなかったのですが、アメリカでは有名なようです。ここの整形外科は全米で31位。以下がこの病院のサイトで手術に関する情報の抜粋です。
http://health.usnews.com/best-hospitals/area/tx/houston-methodist-hospital-6741960
Surgery
If nonsurgical measures fail to relieve your pain, your doctor may recommend surgery.
The most common procedure for AC joint osteoarthritis is resection arthroplasty. A resection arthroplasty involves removing a small portion of the end of the clavicle. This leaves a space between the acromion (the piece of the scapula that meets your shoulder) and the cut end of the clavicle, where the joint used to be. Your surgeon will take care not to remove too much of the end of the clavicle to prevent any damage to the ligaments holding the joint together. Usually only a small portion is removed, less than one cm (about three-eighths of an inch). As your body heals, the joint is replaced by scar tissue. Remember, the AC joint doesn't move much, but it does need to be flexible. The scar tissue allows movement but stops the bone ends from rubbing together.
This procedure can be done in two ways. Today, it is more common to do this procedure using the arthroscope. An arthroscope is a slender tool with a tiny TV camera on the end. It lets the surgeon work in the joint through a very small incision. This may result in less damage to the normal tissues surrounding the joint, leading to faster healing and recovery.
わかったことは、肩鎖関節脱臼の手術でアメリカでは関節鏡視法を使用した手術が一般的になっているようです。正確には関節鏡視下バンカート法(スーチャーアンカー法)と言うらしいです。そしてこの方法だと数か所肩に穴を開けるだけでよく、糸で骨を固定して一年後には消えてなくなるので、プレートを外すために手術を2回する必要はありません。こちらの方法が間違いなく良いように思えます。
自分が言われている方法はプレートを入れて固定する方法で肩の部分に約5cm切ってプレートを入れ骨を固定するらしい。3ヶ月後にはそのプレートを再び取り出さならなくまた全身麻酔による手術。日本の整形外科手術は遅れているのでしょうか。
続く。。。