またブログ主の好きなものレビューを書きたいと思います。
本日は邦楽から、
amazarashi というロックバンドについてです。(詳しい説明はwiki に任せます)
数枚のアルバムをだしておりまして、一応一番好きなアルバムをタイトルに持ってきております。
私が彼らを知ったのは去年の暮れ、WEBで「ワンルーム叙事詩」という曲が取り上げられていたことがきっかけである。
某大手検索エンジンのニュースから見た記事であったため、今ではその記事を探すことが難しいため、内容を確認することが出来ないわけだが、なぜか興味をそそられた。
私の地元は田舎であるため、あまりメジャーではない人のCDはまともに取り扱っていないため、ネットで取り寄せて買ったのだが、最初に聞いたとき、私は「わざわざ買わなくても良かったかも」と、思ってしまった。
そのアルバムが「ワンルーム叙事詩」だったわけだが、素朴なボーカルに、決して明るくはない歌詞。
よくあるのが、ウツとか、反社会的だとか、日常くだらないとか言っていればメランコリックでカッコイイという、思春期じみた子供っぽいかっこつけである。
最初に聞いたときは、そのように感じてしまった。
それでも、なぜか再生を止めることはなかった。
何度も聞いているうちに、自分の考えが間違っているようだと思うようになった。このころには半ば中毒者と化していた。
なにがここまで自分を引き込んだか。
まず、全体としてメロディックでピアノを多様しており、耳あたりが良いこと。静かなところで聞いていてもあまり気にならないので、作業BGMとしてエンドレスリピートしていても気にならなかったことが、要因としてあるような気がします。
うるさい曲だと、(そんなに気に入っていないアーティストの場合)流しっぱなしにすると我慢できなくなるのでね。
そして、ボーカルが素朴であるということ。最初は、曲に対して乾いた印象の声があまりマッチしていないように感じましたが、曲の世界観を含んでみたとき、このボーカルじゃないといけないように思えてきたのです。
最初の方で述べたように、あまり明るくない歌詞です。内容は、現代のどことないやるせなさや、世間に対する諦観、溢れかえる人と反比例するように肌寒く感じる心。
そのようなものを描いています。
けれども、その裏で、まだ諦め切れていなかったり、どこかで希望を抱いていたり、何かを信じたいと強く思っていたり。そんな思いで溢れています。
その感情をこのボーカルは表現しているのです。
淡々とメロを歌っていたかと思うと、サビで力強く叫ぶような印象に変わったり、それがまた曲の世界観を深く表現しています。
さらに、私が、また沢山の人が惹かれる要因は、その詞にあると思います。
帯にも書かれているアオリですが
「この詩は、心に焼き付く絵に変わる。」(アルバム、ワンルーム叙事詩、帯より)
「一生消えない一行を」(アルバム、爆弾の作り方、帯より)
この言葉は、的確に彼らの詞の世界を現しています。
歌詞はそんなに難しい言葉を並べ立てているわけでもなく、よく知った日常を描いています。
冷たい世界であったり、悲しい現実であったり、辛い気持ちであったり、そんなありふれた悲しみが言葉の中には多く転がっています。
それでも、そこではなく、大事なことは、その裏に隠れるように存在する希望や願いだと思います。
「ポエジー」という曲(ほぼ朗読の曲ですが)の歌詞で「僕は僕を愛したい」という一行が、私の中ではとても痛々しく、また愛おしいもののような気がしてしかたありません。
また、アルバムタイトルにもなっている「ワンルーム叙事詩」ですが、社会を悲観して自宅アパートに火をつける内容の歌なのですが、ただ悲観して自暴自棄になるうたではなく、その中には「雨にも負けて 風にも負けて 雪にも夏の暑さにも負けて/それでも 人生ってやつには 負けるわけにはいかない」という強い意志が込められています。
このほかにも、歌詞の世界が深い曲が多く、素朴なボーカルがささやくように、時には叫ぶように歌っていて、それらが心の奥の隙間にそっと刺さってきます。
たぶん、毎日に満足している人にはあまりわからない世界かもしれません。
それでも、夕日に真っ赤に染まった町を見て泣いてしまった人や、朝焼けの訪れる前の静かな世界に身を預けたことをある人、真っ暗な夜に部屋の片隅に心がうずくまってしまったことがある人、そんな人に聞いて欲しい。
そんなバンドです。
また彼ら、今度はフルアルバムを出すそうで、これも大注目です。