ひと昔過去に戻る。
グループ7の仲間と同じテーマで
制作発表を何回かしていたのである。
平日の昼下がり、集合場所はいつも
モナステイラキ駅であった。
この7人、国籍バラバラであったが
ケンタウロスが6人とスコーピオンが1人。
半身人馬6頭が弓もって、蠍が1匹毒もって
ガンヤガンヤどたばたと・・・なのである。
だが、何故か強烈に引かれ合う集団であった。
話が通じているのか否か?
は、誰も把握など不要状態のまま
次々と延々とブラブラが続くのである。
そして続けば続くほど、それぞれの脳内には
様々に得手勝手なイメージがはびこり
もそもそっと動き始めるのである。
写真に、画に、現代彫刻に、立体アート
陶器(ケラミコ)に、工芸と表現形態も
好き勝手であった。
が、これをひとつの現場でおのおの
早い者順に好き勝手に展示すると
ひとつになるのである。
どれひとつ表現の波をぶちきる事なく
無駄もなく、ひとつの世界になった。
いやはやに、摩訶不思議な連中であった。
2回のエクセシ(グループ展)の後
皆それぞれの状況にそって仲間が
若干変わっていった。
が、やはり・・・・
1匹の蠍に6頭の半身人馬であった。
選んだ訳でもなく
自然に群れていたのである。
先日、彼ら彼女たちと集っていた折の
制作ノート(落書き長)を、荷物の中
からごそごそ出して見ていたのである。
ひとつの共同テーマが決まるまでの
プロローグがたっぷりと刻まれていた。
これもひとつの連想ゲームである。
まだまだ興味深いテーマの溢れる頁に
1匹の蠍が、描かれていた。
気がつかなかったが、誰かが落書き
していたみたいである。
一匹では十分に戦えないであろうから
1頭の半身人馬を書き足した。
これで、しずかに対話を始める事が
出来るであろう。
とりあえず、
始まりはいつもここにある。なのである。