我が尊愛するアポリネールの詩である。
そして、詩まれたその場所は、何よりも
パリでいちばんに足を向けたい場所であった。
ミラボー橋の下をセーヌ河が流れ
われらの恋が流れる
手と手をつなぎ 顔と顔を向け合おう
こうしていると
二人の腕の橋の下を
疲れたまなざしの無窮の時が流れる
日も暮れよ 鐘も鳴れ
月日は流れ わたしは残る
流れる水のように恋もまた死んでゆく
恋もまた死んでゆく
命ばかりが長く
希望ばかりが大きい
日が去り 月がゆき
過ぎた時も 昔の恋も
二度とまた帰ってこない
ミラボー橋の下をセーヌ河がながれる
日も暮れよ 鐘も鳴れ
月日は流れ わたしは残る
昔,この詩を初めて読んだとき
あまり意味合いを理解は出来なかった。
堀口氏の選んだ言葉の灰汁のせいか
解ったのはミラボー橋の存在だけであった。
随分の時間の経過の中で
今、この詩の持つ光と影の中で
少しではあるが、佇み漂うことが
出来るようになった。
アポリネールのミラボー橋の詩が
好きだと言ったら早速に、載せて
くださったnasebanaruさんに
無窮の感謝を込めて.
ほんとうにありがとう.