何所に行っても,まず何より先に考えるのが
写真(プリント)とフィルム(Nega)を干す
場所と背丈の確保、そして湿気に強いフックの
確保である。
当然、風呂場のタイルに頑丈に紐の張れるフックなど
ついていないので,自前でもそもそと設置となる。
これがなかなかドリルで穴をあける訳にいかず
あーでもこーでも・・・・・一苦労であった。
後は、天井の高さである。
36枚撮りのフィルムは結構ズンと長いので
ブランブランとまっすぐに干せる長さがいる。
問題なくクリアー。下は浴槽。バッチリである。
歴代の木の洗濯バサミちゃん。
これを見つけた時は本当に嬉しかった。
ざっと50個入っててもってけ~の80円。
ブルドックと七面鳥が合体したみたいなFaceの
バイア小母さんのお店。もう故人であられるが。
もう1セット買っとけばよかったのである。
時は既に遅くなるのである。
挟む部分にギザギザがついていない洗濯バサミ
でしか,プリントはポチッと挟めないのである。
これがギザギザの無い洗濯バサミちゃんは
当時(10年前)は,無いか・高価であった。
が,運良くその後もぞくぞくプラスチックの
ギザギザなし洗濯バサミちゃんをゲット!!
それも、あの,恐ろしく低レベルな3色
ではなく、水彩色の美しいフレンチカラー
の洗濯バサミちゃんである。Very Good**
値段も、とってもLovelyなのである。
そんなこんなでアテネの我が家の風呂場は
乾燥室としてすんなり文句なしにフル活動
されたのである。
もちろん乾燥中は、風呂には入れない。
Toiletのみである。
水洗が終わったプリントたちを1枚また
1枚とブランブランさせて、最後に
じーっと見つめるのがほんとうにいちばん
幸せな時間である。
まだ水が滴るその瞬間だけ、ほんの数分が
1番自分の写真が、愛せる瞬間であろう。
もう、少しその場を離れて、もう1度見ると
だめである。史上最悪の現場となるのである。
乾ききったプリントは、もうこの世の物か?
と思えるほど、あーここちゃう。ここもあかん。
地味な仕事なのである。
ただ、あの数分が少しでも多く味わえれば。
それだけで、暗室をやめれないのである。
銀塩のフィルムから離れられないのである。
今は、油屋の風呂場がプチ乾燥室となって
喜びの数分が続いているのだが・・・・
水質の違いにまだ慣れていないせいか
まだまだデーターとしてしか写真が見れて
いない。喜びよりも締まり具合なのである。