嫉妬深い。

燃えた空のように-
幾重にも幾重にも重なる雲のように-

がんじがらめに動めく修羅の念。

人一倍に強い。のである。
愛という嫉妬。
嫉妬という愛。

恐覚めになる程に愚かな生き物である
自分自身が生きていた。

そこから得たものは何もない。
そこから失ったものはあり過ぎる。
そして、今。

あれほどに燃えていた空が嘘のように
平然と流れている。

何時までも燃える程時間は
たっぷりとはないのであろう。

覗いている視覚が今は違う
という事であろう。

ならばこの腹の、生命の底で
ヒシヒシと動く嫉妬を動脈として
力として大いに使おう。

失い消えていったものから得た
イデア(知恵)である。

「情」か「穏」。
「情」と「穏」。

人間らしくいきたいものである。