損害保険会社では、保険に関わる様々な鑑定を、損害保険登録鑑定人に依頼します。その鑑定内容は、損害額だけでなく、保険価格の適正や事故原因など多岐にわたります。
損害保険では、元の状態に戻すだけの保険金を割り出さなければなりませんから、どれほどの損害があったのかを基にして保険価額を算定するのが損害保険登録鑑定人の仕事なのです。
実際に損害保険登録鑑定人としての具体的な仕事は、火災による焼失損害、地震による倒壊被害、過失による他者の財産損壊などの被害額を算定するといったことが挙げられます。
分かりやすく言えば、火事や地震などの事故や災害が起こった時に、その損害を具体的な金額として弾き出す業務で、
財産、財物に対して事故原因、損害鑑定、評価鑑定といった3種類の調査を損害保険会社から委託されて行います。
日本損害保険協会が主催する資格試験、一級、二級、三級に合格することで、損害保険鑑定人として活動することができます。
損害保険登録鑑定人の3級には「保険・一般常識」「電機・機械」「建築」の3科目あり、合格には全科目とも60点以上が条件となります。
かつ建築士や不動産鑑定士などの関連性がある公的資格を得ていると、専門鑑定人として届け出ることもできます。
損害保険登録鑑定人試験は、1級が5~10%、2級が10~20%、3級が20~30%ほどの合格率です。
次は給与について見ていきましょう。こちらは調査会社か保険会社どちらに属しているかによって給与の額には差があります。
保険会社所属なら正社員で平均月給が約25万円、これに各種手当とボーナスがプラスされ、年収にすると400万円ほどになるでしょう。
三和鑑定事務所
委託されている調査会社に属している場合は、歩合制のことが多く、300万円?1000万円の間でさまざまです。
ここで有名な損害保険鑑定事務所をいくつか紹介したいと思います。
まず昭和17年創業の三和鑑定事務所は鑑定人50人強を抱え、大規模災害を扱った経験も多い、実績のある老舗の事務所です。
いろいろな方面を得意とする鑑定人が揃っていて、神社仏閣から化学ブランtまで特殊な事例にも対応できます。
次が従業員160名以上、うち鑑定人の数が約112名という内山鑑定事務所で、取引先には外資系やネット保険などがあります。
昭和48年創業の株式会社東鑑は、現在52人の鑑定人が所属し、
本社を東京に構え、横浜、大宮に支店があります。主に関東を活動拠点として損害鑑定と評価鑑定を行っています。
他にも日本初の損害保険鑑定事務所と名高い株式会社中央損保鑑定は、1909年創業、その後1959年に法人化した企業となります。
株式会社中央損保鑑定では建築、電気といった資格を持つ専門鑑定人が多数いて、業界内でおいてはパイオニア的な存在だと言われています。
最後は創業1961年、50年以上の歴史を持った東京損保鑑定株式会社で、保険会社からの信頼も高い鑑定事務所です。
これまでの経験と技術、実績をもって、タイでの鑑定業務を行うためにタイでの現地法人をたちあげ、外国損害保険協会の会員でもあります。