ここは香港国際空港のターミナル2
LCCの普及により新たに建設されたターミナルだと思う
このターミナルのデザインは、「空の雲と海の波」をかけたような躍動感を感じさせる
そのアイデアとセンスの良さはもちろん素晴らしい!
とは言っても、お絵かきなら誰にでもできる
何のために建築家というプロがいるのか?
それはそのお絵かきのようなファンタジーを現実の世界で形として存在させるため
建造物というのはざっくり分けて、「美術」と「数学」の双方が合わさって初めて実現する
更には様々な「法律」も絡む(建築基準法、防火法、地域の特別条例など)
尚且つ「予算」という最も現実的でメインとなる弊害も絡む
美術だけならあの新国立競技場だってできるのだ
美術だけなら築地は順調に豊洲になっただろう
美術だけならあの「エッシャーのだまし絵」もありになる
アイデアとセンスがあればよく、しかもそのセンスなんてものは相対的で流動的で、そんな不確実な価値観によるただの主観的な評価でしかない
しかし数学はもっと客観的でクリアーだ
可能か不可能か、ただそれだけ
この冷酷な現実が、どれだけ多くの夢に溢れた建築家の卵たちをこの業界から早々と葬り去ってきたか
まるで子供の頃の夢や好奇心が大人の世界でなかなか意味を成さないようなものだ
だからこの空港を見ていると、ごく一部の才能ある子供が大人の世界で童心に抱いていた夢をそのまま実現させた奇跡を感じる
それは細部までコンセプトにこだわった無理なデザインをしているのに、ちゃんと緻密に計算して実際に形として再現できていること
これだけファンタジーにこだわっているのに、普通ならその負担がくるはずの機能的部分(利用者の利便性や空港業務としての機能)も申し分なくケアーされているというパーフェクトな総合技術が備わっていること
これができるかどうかは全て設計士の力量で決まる
やっぱ平屋一軒の設計図すら未だ上がらないのに裸足でデパートの中をウロチョロしてるうちの相方とは違うよなー
仕事もしないでゴルフの練習に明け暮れてる最中にサンダルが切れたから裸足で買いに来たどーしようもない自称デザイナー↓
こいつ↑のせいでチェンマイハウスは全然進みません・・・
ああ、香港空港のデザイナーが羨ましい、、
ベンチに座って改めてこの空港のデザインを見渡してみた
ん?なんか不思議なシルエットが・・・
!?!?!?
これもデザインなのか?
うわっ、
動いたっ!!
やっぱ、躍動感あるわ~