昭和、平成の時代はボクサーの移籍は困難であった。
移籍の決定権はジムの会長にあり、法外的な移籍金が暗黙の了解になっていた。
聞いた話によると、畑山隆則が京浜川崎ジムから横浜光ジムに移籍した際も億単位の移籍金が動いた、と。
その他多くのボクサーが移籍が出来ず、引退を余儀なくされた。
令和になり、ボクサーが激減したせいか、JBCが移籍に伴うルールを設け、移籍金が緩和され移籍がしやくなった。
そうなると、世界を狙える逸材は帝拳ジムか大橋ジムが移籍が濃厚。
世界三位のスーパーフェザー級の力石が緑ジムから大橋ジムへの移籍が発表されたが、これも世界挑戦の資金力の問題であろう。
かつて、九州のジムに所属した越本隆志が世界挑戦の際、越本隆志のファイトマネーは0円。
宮田ジムの内藤大助がポンサクレックに挑戦する記者会見で、内藤大助はスポンサーを公募したり。
では、日本に世界チャンピオンを呼んで世界戦を行う資金はいくらか?
まず世界チャンピオンに払うファイトマネー。
軽量級でも一千万円は超えるし、それに加えて会場の手配、宣伝費、軽く見積もっても数千万円。
そんなお金を中小ジムが捻出するのは無理難題。
そう言えば、茨城県の古河ジムに所属し、国内無敵であった長嶋健吾の世界挑戦を手掛けたのは帝拳ジムであった。
そうした裏事情を理解すれば、資金力のあるジムに有望な選手が集まるのは当然。
一極に有望な選手が集まる事を憂いる前に現実を直視すべき。