偶然の力は大きい。

本当に偶然に何度も会った。
いま考えれば、まだ自分の気持ちに気づいていなかったときから、そういえばやたらとあなたを見かけたことがあった。
あなたの居る場所の近くに寄ることがあったから、メールをしようかと考えていたら、本当にばったり会ったりした。間違えて乗った早い時間の電車から、降りたらあなたが居た。


連絡をしようとしたらメールが来たり、私が言おうとしたことをあなたが言ったり。
めったに連絡を取るわけじゃないのに。
めったに会えるものでもないのに。
行動範囲だってぜんぜん違う。
なのにこんなにシンクロしていることが、ずいぶん昔にした幸せな一つの恋愛を思い出させた。
親から愛されていないと感じて、いつも居場所を探して育った私が、愛を初めて感じた恋愛。
愛してもらったけれど、愛し方がわからなかった恋愛。
居場所があったのに、子供すぎた私は自分で壊してしまった恋愛。

私は誰かのことをずっと愛したかった。





この人なのかもしれない。


偶然に突き動かされたように、私のなかであなたへの意識が高まっていった。




そんな友達同士だったら ちょっとした 「よくあること」でさえ、今となってはすべてが愛おしい。
懐かしい。
あのときの気持ちは記憶にあるのに

もうカラーでは思い出せない。

手のひらの中に掴んだ空気のように、そこにあるようで・・
でも私には感じられないものみたいだ。

そういえば最近、水の温度がわからなくなったなぁ。 あ・・味もにおいも感じてない。
でも世界はモノクロじゃない。でもカラーでもない。
白にしか見えない。

あなたは私に暗闇は持ってこなかった。
光をくれたと思う。本当にそう感じる。

思ったより、あなたの存在は私の五感を研ぎすませていたのかもしれない。




あなたを好きだと自覚する前のことをこんなに鮮明に覚えている自分が不思議だ。

きっと、最初から 私の想いは始まっていたのだろう。


初めて逢ったときから
私の目にはあなたはとても印象的に写っていた。

あなたは目立って変わった性格をしていると受け止められているし、自覚もしていると思う。
それは優秀すぎるが故なのかもしれないし、あなたの豊かな感性からくるものなのかもしれない。

私は「個性的な人が好き」 それは間違いない。

でも、いつからだろう。
あなたが私の心を強く揺さぶるようになったのは・・・

みんなで会ったとある集まりの日。
初めて二人でお話をした時から・・・?
正確にはその数時間前、その集まりに移動する前の場所で、
「よかったらぜひ来てください」
そう声をかけてくれたこと、なぜかとても覚えている。

あのときの気持ち、、、
なんだったのだろう。
立場上、何かと周囲から気を遣われてしまう私に、ごく自然に話しかけてくれた。
「え、私に声かけてくれるんだ。」
・・驚きと、新鮮さだったのかもしれない。

今考えると、あなたは年上の人に積極的に絡んでいくし、人見知りもしないし、特に意味は無かったのかもしれない。

私が、この出逢いを、特別だと思いたくて、何か意味付けしたくて、ただ必死になっているだけなのかもしれない。

集まりには、気が向いたら顔を出そうかと思っていたけれど、
会場に着いた私は、なぜかあなたと乾杯をすることを考えていた。

もうそのときからあなたに興味があったんだね。

あなたのことを知りたくて、質問攻めにしちゃったけど、丁寧に答えてくれたね。
柔軟性があるあなたの会話から、オープンな人なのかと思っていたけど、いま考えると、秘密主義のあなたにしてはとっても珍しいことだったんだね。

心を開いてくれていたのに・・・
気づいていなかった。

でも、今でもそのときのあなたの表情、しぐさ、相槌・・・
鮮明に思い出せる。



こんなに好きになるなんて思わなかった。

たぶん、こうやって成長していくんだね。まず、ブログ書けるようになる。がんばる。