子供のころ、祖母が書いて送ってくれた手紙を見た。それは達筆、なのかどうか当時の僕にはわからなかったのだけれど、とにかく崩した字体で小学生が普通に読める代物ではなかった。
にもかかわらず、母はそれを上手な字だと言っていた。僕にとっては、小学生ながらカルチャーショックで、そういうのが「アリ」なんだ!と衝撃を受けた。

なんとなく僕にも美しい字だという感覚はわからなくもない。真似ようとしたけど、どうやればあんな字が書けるのか。
ちょっと考えて、いろいろ試して、早く雑に書けばそれっぽい字になるとわかった。
それは自分にとっての「美しい字」だった。
学校で同級生に書いて見せたら、汚い字だと言われたのだけれど。

 

学校で教えられるようなみんなが認める正しいあり方というものに対して、疑う姿勢を持てたのは、

この経験があったからなんじゃないかと今は思う。