赤いレンガに囲まれた学校の周りに植えられた桜の花。 男はこれがホントにキレイだと思う。 彼は少年時代によく祖父とこの桜を見に出かけた。祖父と歩いた桜並木に感じる安心感。 そうだ。僕は祖父が好きなんだ。 学校の同級生たちは彼を蔑んだ。
あの日以降彼に有りもしない噂がながれた。 人に嫌われると不安になる。
人とつながりたいが無理な実情。 つながろうとするほど人に避けられる。 自分で付き合う人を勝手に判断する。 彼らの顔,仕草,性格などの好みに従って。
祖父は自分の好みに合った。
