ひっさびさに腹の立つことがありました。

「他塾の志望校別特訓を受けようかと検討しています」という連絡があったのです。

すべきノルマをこなし、それでも不十分かもしれない・不安だとそういうものを受講するなら、腹は立てません。

しかし…

本来すべきノルマもきちんと仕上げず、先方の要望を受け入れこちらがあれこれ調整しなければならない状況で、このようなことを言われたのです。

別にね、かまいませんよ。

では、その特訓の復習はいつするんですか。

本来すべきことを削ってでもその復習の時間を設けるべく、またこちらが調整をしなきゃいけないんですか。

たまにいるんです、すべきこともできないのに、後先も考えずに新しいものや志望校の名前のついているものに飛びつく人が。

それで、消化不良になってしまうという…

志望校に合格したいという気持ちが、あさっての方向に向いているわけです。

こういう、「何でもカネで解決しよう」という姿勢、ムッチャ嫌なんですね。

いや、毎晩帰宅してスパゲティをゆがいては、具も何も入れず、ただおなかを膨らませるだけの貧乏生活を送っているひがみとかではないです。

昔からそうなんです。

まだ大学生のころ、私立小学校に通う、中学受験希望の小5の家庭教師の依頼があったのですが、保護者にこう言いました。

「この家庭教師以外に、塾に通わせたりされるんでしょうか。それならお断りします。経済的に恵まれた環境だからといって、あれもこれもというのが嫌なんです」

今思えばえらそうなことを言ったと思いますが、「この家庭教師1本で受験をするつもりです。他塾に通わせるつもりは全くありません」と言われました。

「それなら信頼関係は築ける」と思いました。

そりゃ家庭教師代もいただきましたが、私の場合、お金じゃないんです。信頼関係が築けるかどうか、そこだけです。

だから、こちらも信頼を失わないよう一生懸命になって指導しましたし、志望校にも合格しました。

行動が慎ましやかであれば問題ないのですが、金銭的に裕福かどうかは別にして、振る舞いが金持ちぶっているのは生理的に受け付けられないのです。

塾に通いながら家庭教師もつけるとか、今回のように本来すべきこともできていないのに、それができるように努力するのではなく、大枚はたいて新たなものに飛びつくとか…

ついでに、言葉ではそれらしいことを言っておいて、行動が伴っていないとかも許せません。

今回、連絡をいただいた瞬間、「なんだかんだ言って、信頼されてないな。信頼関係は築けないな」と思いました。

保護者の頭の良さや学歴なんて、子供の教育に大きく関係するとは思いません。

保護者がわが子に対してしっかりとしつけを行い、こう!と決めたらドシッと腰をすえて構える…そうすればたいていうまくいきます。

高学歴の保護者であっても、しっかりとしつけず、今回のように右往左往して「カネはある」みたいに何でもかんでも子供に与えれば、たまたまうまくいったとしても、必ず後でえらいことになるでしょう。

こんなことを書くから、生徒も集まらないし、裕福な家庭は避けるんでしょうな。