【甲子園優勝キャプテンが逮捕】尾崎豊好きの高校球児は、なぜ2年半で「バール強盗」に転落したのか | 教育問題備忘録

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いじめ110番
人権110番

2/3(月) 18:12配信文春オンライン

 2017年夏、甲子園優勝を果たした花咲徳栄高校の主将が、強盗致傷事件を起こして千葉県警に逮捕されていた。千丸(ちまる)剛被告(20)、無職。栄冠をつかんだ高校球児に、2年半の間に何があったのか。

バールで殴られ頭蓋骨を骨折する大けが
 昨年4月26日午後9時40分ごろ、千葉県八街(やちまた)市の店舗を兼ねた住宅のインターホンが鳴った。インターホン越しに「車をぶつけてしまいました」と男の声がしたので、この家に住む男性(60)が外へ出ようとドアを開けると、複数の男が家へ押し入り、男性と妻(58)を襲った。

 男性は頭をバールで殴られて頭蓋骨を骨折する大けがを負い、妻の顔には刃物でつけられた傷ができた。妻が大声で助けを求めたため、男らはバールや刃物を室内に残したまま、何もとらずに逃走した。

 妻から110番通報を受けた千葉県警佐倉署は、強盗致傷事件とみて捜査を開始。強盗事件の直前には、八街市で止めてあった車の前後のナンバープレート2枚を盗み、犯行に使った車につけていたことが判明。約8カ月の捜査ののち、12月3日に男2人、今年1月8日に千丸被告ら男3人を逮捕した。5人の中には知人同士の者もいたが、互いに面識のない者もいたという。県警は、それぞれの役割分担や、他の共犯者の有無を調べている。

 埼玉県勢初の夏の甲子園優勝の快挙を手にした千丸被告は、喜び冷めやらぬ中、自身のツイッターで周囲への感謝を表した。

人格も買われ、主将に選ばれた千丸被告だが……
《自分は日本一のキャプテンではなく、日本一周りに支えられたキャプテンだと思っています。本当に両親、チームメイトなどたくさんの人に支えられました》(2017年8月23日の千丸被告のツイッター)

 千丸被告は、1年生秋から二塁手としてレギュラー入りし、2年生で甲子園出場。チームメイトや監督から、実力だけでなく人格も買われ、満場一致で主将に選ばれた。

《甲子園出発前に清水達也にガチンコで西川愛也と俺で挑んだ。いい練習になった!たっちゃんありがと!まなやもありがと!》(2017年7月31日のツイッター)

 ともに優勝した花咲徳栄ナインには、中日の清水達也投手や、西武の西川愛也選手と卒業後はプロで活躍する選手も。一方、千丸被告は指導者を目指し、駒沢大学に進学。野球部では入部と同時に一軍入りし、春の東都リーグにも出場した。

先輩の財布のお金を盗んで大学中退
 だが、夏には野球部を退部し、大学も中退。ツイッター上には、その理由として、先輩の財布のお金を盗んだことや、先輩からいじめを受けたことなどが挙げられている。逮捕時の住所が東京都町田市であることから、退学後は地元の町田に戻っていたとみられる。

《誕生日だけど おめでとうではないっすね。生きてたら52か。この年の尾崎さんはどんな歌を歌うのかな 完璧な人間じゃないあんたの生き様が素敵。一生愛してる》(2017年11月29日)

《今日も風呂で尾崎さんの歌を聞こう 1日の疲れを癒すように 今日もお世話になります》(2015年2月8日)

 千丸被告の高校時代や中学時代のツイッターの書き込みには、尾崎豊に傾倒する様子がみられる。「誰にも縛られたくない」と思ったはずの千丸被告は、わずか二十歳の身空で警察のオナワになってしまった。

村田 珠里/週刊文春デジタル