教育長「地毛は黒髪と認識」…教室に席も設けず | 教育問題備忘録

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11/18(土) 9:33配信 読売新聞

 大阪府立高3年の女子生徒(18)が学校から生まれつき茶色の髪を黒く染めるよう強要され、不登校になったなどとして、府に損害賠償を求めている訴訟に関連し、向井正博・府教育長は17日、定例記者会見で、「生徒は生まれつき黒髪だと認識している」と述べ、黒染めは元の髪の色に戻すための指導だったとの見方を示した。

 府教育庁によると、2015年3月、高校入学前の登校日に写真撮影をする際に、教員3人が全新入生の髪の色を確認。生徒は「茶色は生まれつき」と説明したが、頭頂部の根元の色が周辺よりも黒かったことから、学校側は「地毛は黒色」と判断した。高校から、卒業した中学校に問い合わせたところ、「明らかに染色したような状態だったため、指導したことがある」との回答もあったという。

 一方で、3年に進級後、学校は生徒の名前を名簿から外しただけでなく、教室に席を設けていなかったことも明らかにした。向井教育長は「不適切で大変申し訳ない」と謝罪。黒染めを繰り返し求めたことについても、「指導の方法が良かったのか確認したい。生徒と信頼関係が築けず、訴訟になったことは残念」と述べた。

 さらに、校則が適切か、保護者や地域住民らを交えた学校協議会などの意見を聞きながら点検するよう、全府立高に指示する方針を明らかにした。

 生徒の代理人弁護士は、読売新聞の取材に「学校側は、『生徒の地毛の色はよく分からない』と説明していた。『地毛が黒色』という根拠を確認したうえで反論したい」と話した。