SAORI'S ROOM
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姉を失くした日 1-1

わたしは、ユイが大好きだった。


ユイは、わたしのすべてだった。


ユイを横取りしたあの男を、ユイを死なせたあいつを、


わたしは絶対許しはしない。



『メイレイ


姉のユイは、勉強もスポーツもお裁縫も料理も、なんでもできて

まさに才色兼備といえる存在だった。

ユイを好きな男の子は、たくさんいたけれど、

誰もユイは相手にしなかった。

ユイは、男の子に興味がなかったみたい。

わたしは、高校生のとき、何人かと付き合ったりした。

・・・すぐに別れちゃったけど。


わたしは、頭のほうは、まるっきしだったんだけど、

容姿は、それなりに、かわいいほうで、ユイに比べたら劣るけど、

もててたんだ。


だから、男の子には不自由してない。


「なんでユイは、彼氏作らないの?」


って聞いたことあったんだけど、


ユイの答えはいつも決まってる。


「運命の人を探してるの」


運命の人。そんな言葉をイマドキ口にできるユイは、変わり者だ。

どれだけ頭が良くても、どれだけスポーツができても、

ユイは、ユイだ。


そんなユイが、わたしは大好きだった。

ユイは、わたしの姉であり、それでいて信頼できる友人だった。


大好きだった。



ユイが大学生になって1年目。

わたしが高校3年生になって受験を控えて

ちょっとしかない脳みそをフル回転して勉強していたある日。


ユイがわたしの部屋に駆け込んできた。


「ユイ、どうしたのよ」


「メイ、見つけたの、運命の人」


「運命の人?」


「そう!」


こんなユイの嬉しそうな顔を見たのは、いつ振りだろう、って思った。

ユイもようやく好きな人を見つけたのか、って思った。

その頃わたしには、かっこいい彼氏がいたんだけどね。


何でも、ユイの思い人は、大学の臨時採用された先生らしい。

その先生が教室に入ってきたとき、全身に電流が走ったような、

そんな感覚にとらわれたそうだ。


「目があったの、そのとき。わたしに柔らかい笑顔を向けてくれたのよ」


ユイは、意気揚々に語りだしたんだ。


そんなユイを見て、ちょっとその先生に嫉妬したけれど、

そのときは、ユイにも恋をしてほしかったし、幸せになれるといいな、

って思ってた。


でも、畑違いもいいところだった。


その男は、ユイを不幸にした。


ユイは、あの男のせいで死んだ。






















メイレイ 

【姉を失くした日】


1-1