昨日、今日と住宅における自然素材について考えてみました。
無垢の木材はもちろん、漆喰とか石とか。
人にはそれぞれ価値観や感性があるので、当てはめることはできないし、無理強いをするわけではありませんが、私は職業柄もあってか経年劣化は好きです。それはそれで味が出るというか。
劣化という言葉が悪いですね。マイナスイメージでしかない。
これからはこう言います。
「経年美化」
昨日、某工務店の方と自然素材の劣化に伴う趣きや風合いについて話す機会がありました。
ウッドデッキの話になったときに気づいたことがあります。
これまでの私は長い目で見たときのコストを考えて、20-30年は間違いなくウッドデッキを使い続けるのであれば、ハードウッド(ウリン、イペ、セランガンバツなど)を選んでいただいた方が耐久性も高く、作り直す手間も少ないためにトータルコストを抑えられるというメリットのことを必ず相手に伝えていました。
でも、昨日の話で少し考えが和らぎました。
ご自身でDIYなどを行うことに興味を持ったり手間暇をかけられる人向けの話ですが、腐食や劣化した部分だけをDIYで新調する方法も考えの一つだと。
経年劣化・経年美化に伴い、DIYするというのも自然素材を扱う上での醍醐味の一つ。
私は良かれと思って、コストにばかり目がいっていたようです。
お客様が本当に何を求めているか。どう暮らす、どう使うことをきちんと自分も一緒に考えなければと思いました。
手間暇をかけること、DIYが好きな人はもちろんいます。ウッドデッキを杉やSPFで作って、数年ごとにDIYで手を加えていく。これも素敵なことです。それにかける時間の過ごし方もだし、経年劣化・経年美化を楽しみながら過ごすこともできる。
例えば庭のグリーンや風、小鳥のさえずり、近くを通る車の音などを感じながら、ウッドデッキに腰かけて新調部分となる床板を手に取りながらペンキを塗る。
ただ塗装するだけでも、それが本人にとっては没頭できる趣味だったり、リラックスできることだったりする。
提案することや相手の考え、思いを汲み取ることにもっと柔軟に常に複数の選択肢を持って会話することがいいことかも知れない。