
イサクが誰もいない通りを歩いていると針の無い大きな時計が目に入る、通りの向こうから馬車が来て外灯にぶつかり、積んでいた棺桶が崩れ落ちる、棺桶のふたがあき中から人の手がのぞくという夢でした。
イサクは式場に車で行くことにし、息子の妻と出発します。この先は一種のロードムービー、昔の恋人に似た若い娘とその男友達二人、喧嘩ばかりしている夫婦などを載せたりします。途中イサクが若い頃住んでいた場所などにも立ち寄ります。
イサクは若い日のあれこれを思い出します。婚約者を弟に奪われたこと、結婚したら妻に不貞をはたらかれたことこと。
また同行した息子の妻からは子供を持つか持たないかで夫婦の意見は合わず、夫婦仲がぎくしゃくしている話も聞かされます。
私はこの映画を20代の半ばごろ見たのですが、映画の冒頭の悪夢の場面は憶えていたのに、その後の不幸な結婚生活のあれこれの話は憶えていませんでした。映画を見終って、結婚も難しくくたびれる人間関係だと改めて思いました。
イサクは楽しい思い出より嫌な思い出をより多く思い出している、イサクとほとんど同年の私はどうだろうか?そんなことを思いました。私もどうやら嫌な思い出の方が残るように思います。
映画の最後、授賞式が無事に終わり、息子夫婦のわだかまりも何とか収まり、車に乗せてきた若い男女からは野の花の花束を贈られ、イサクが安らかな気持ちでベッドに入るそんな終わり方、ベルイマンの映画でこういうHappy endは珍しいのではないかと思いました。