羽生結弦には手が触れられないと思った。ほんの6、7メートル先にいるのに、触れない人だと感じた。羽生結弦の世界は氷の上だ。製氷された後の傷ひとつないリンク。そこにひとたび降り立った時、彼は異次元の人になる。そこには誰も入り込めない。孤独が彼の演技を昇華させる。それはもう神の領域だ。
選手だった彼は、常に既定の決まりに縛られていた。たくさんの敵を倒しても倒しても、競技という縛りが彼を苦しめた。彼が、選択肢がないという自由を得るのは容易ではなかった。一度築いたものを捨てるのは、彼とて苦しみでしかなかっただろう。頂点まで上り詰めた人だからなおさらだ。でも、彼はそれを掴んだ。
彼の旅にもいつかは終わりが来る。自分の理想の演技を追い求める彼にとって、それは考えたくない、辛いことだろう。でも、彼は、それをも力に換えて挑んでいる。今の自分を演技に刻み込んでいる。彼の演技には一期一会の覚悟がある。
演技が終わり、マイクを握って話す時の、顔をくしゃくしゃにして笑う、清々しくも屈託のない笑顔に安心する。マイクを持って話している時、彼は氷の外の世界と繋がることができるのだ。孤高の戦士が一人ではないと実感することを許される時間なのだ。
羽生結弦の単独ショーを観ると、もう、他のショーは観たくなくなる。そう、唯一無二なのだ!
選手だった彼は、常に既定の決まりに縛られていた。たくさんの敵を倒しても倒しても、競技という縛りが彼を苦しめた。彼が、選択肢がないという自由を得るのは容易ではなかった。一度築いたものを捨てるのは、彼とて苦しみでしかなかっただろう。頂点まで上り詰めた人だからなおさらだ。でも、彼はそれを掴んだ。
彼の旅にもいつかは終わりが来る。自分の理想の演技を追い求める彼にとって、それは考えたくない、辛いことだろう。でも、彼は、それをも力に換えて挑んでいる。今の自分を演技に刻み込んでいる。彼の演技には一期一会の覚悟がある。
演技が終わり、マイクを握って話す時の、顔をくしゃくしゃにして笑う、清々しくも屈託のない笑顔に安心する。マイクを持って話している時、彼は氷の外の世界と繋がることができるのだ。孤高の戦士が一人ではないと実感することを許される時間なのだ。
羽生結弦の単独ショーを観ると、もう、他のショーは観たくなくなる。そう、唯一無二なのだ!
