SFは非常にややこしく定義付けすることが難解です。なのでSFというジャンルは多岐に渡り枝分かれしています。
スターウォーズ」シリーズなどで有名な宇宙冒険活劇モノの"スペースオペラ"。
バックトゥーザフューチャー」シリーズなど比較的外れが少ないと言われているタイムトラベルモノの"時間SF"。
2001年宇宙の旅」「惑星ソラリス」などの耐性がついていない人には睡魔との死闘を繰り広げなければならない"ハードSF"。
他にも宇宙人侵略モノや友情モノ、人工知能を扱うロボットSFなど挙げればキリがないです。

現実的な人工知能モノから非現実的なタイムトラベルモノと幅広いジャンルではありますが、自分が今回取り扱いたいSFジャンルは"近未来SF"です。
近未来SFを簡単に定義付けすると【数十年程度の比較的近い未来】。非現実的な舞台設定で浮き彫りにされる超現実的な問題を扱ったものが多い印象です。


勝手ながら5つほど、作品概要と共に紹介したいと思います。どうか最後までお付き合い下されば幸いでございまするm(_ _)m


①「ソイレント・グリーン」(1973)
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概要:
舞台は2022年。格差問題が原因に起こったある殺人事件を主人公(チャールトン・ヘストン)が捜査することになった。そこで背景として描かれるのは暗雲立ち込めた未来社会とはっきりと分かれている身分格差問題。
感想:
まず舞台設定が素晴らしい!
簡単に説明すると人口増加によって生じるであろう負の連鎖を扱った作品。
人口増加→植物食料枯渇→地球温暖化→より浮き彫りになる貧困格差。映画自体はSFファンタジーではありますが、背景で語られている人口増加と地球温暖化現象は正に現在私たち人類が解決すべき問題です。
70年代SF作品は当時問題となっていた環境問題を肥大に表現した作品が多く、今作のような退廃的近未来SF作品が多い印象があります。
1つ1つのカット、人口増加を防ぐための今では当然考えられない法律などの情報量が膨大で自分の情報処理が追いつきません。
かなりオススメです!
70年代なのでCGもなく、古めかしい言い回しと今とは比べものにならないぐらい汚い画質なので謙遜しがちではありますが一見の価値アリです!

衝撃的なラストも必見!!


②「ウエストワールド」(1973)
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概要:
砂漠にポツンと建っているテーマパーク。そのテーマパークは古代ローマ、中世ヨーロッパ、西部開拓時代のアメリカの3つのワールドが形成されていて、それぞれにその時代に合った風貌の人間そっくりなロボットが体験しようとして来る客を接待するというテクノロジーの進んだテーマパークが舞台。
そんなある日、原因不明の故障に見舞われてロボットが暴走を始める……。
感想:
安全第一であるはずだった科学を駆使した古典的テーマパークが来客者に牙を剥く、といった内容は「ジュラシック・パーク」シリーズで有名ですが、先に映画化したのは今作の「ウエストワールド」です。
西部劇映画によく出演しているユル・ブリンナーが西部開拓時代エリアでのカウボーイロボット役に扮しているのはファンとしては胸躍るキャスティングです。
内容は客として来た主人公が故障により人間にも危害を加えるようになったカウボーイロボット(ユル・ブリンナー)にひたすら追われるといったいわゆるアクション映画にはかかせない逃走と追撃ですが故障する原因というものが一切明かされません。
科学というものは日々進化をしていて様々なテクノロジーの応用で生活が利便化していますがそれと共に伴う常人には分かり得ないテクノロジーの危機を扱った作品であります。

深い内容の作品ではありますが、アクションシーンと何度撃っても立ち上がるターミネーターのようなユル・ブリンナーの不気味さと徐々に近づいてくるサスペンス感を存分に楽しめるのでハラハラしたい方はオススメであります!!


③「未来世紀ブラジル」(1985)
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概要:
徹底的な情報統制社会の情報局に勤めている主人公のサムが夢に出てきた女性と現実世界で偶然会い惹かれていく内に、社会不適合者になっていき後戻りができない状態に……。
監督テリー・ギリアムが贈る安定を目指して非人間的統制を行った排他的社会をブラックジョークで交えたSF作品。
感想:
バロン」「バンデッドQ」などといった子供も大人も楽しめるファンタジー映画を割りかし撮影してるいることで有名なテリー・ギリアム監督。
上気した2作の内容は子供の冒険の話ではありますが、裏に隠れているのは辛い現実世界から自分の世界(ファンタジー世界)へ逃げ込んで、その想像の世界で愉快な仲間たちと共に冒険をするという実にブラックな内容を含んだ悲しいストーリーです。テリー・ギリアム監督は主にそのような作風が多く、無論今作の「未来世紀ブラジル」も現実の厳しさから自分の世界へと逃げてしまう中年男の話です。
しかし今作が別のギリアム作品と異なる点は現実世界が既にファンタジーのような世界だということです!
ファンタジーのような世界とは言いますが、しゃべる動物も魔法もなく、その現実世界にあるのは徹底した情報統制による非人間的な暗黒社会。
その暗黒社会から逃れるため自分の世界へと入ってしまうのです。

今作も日々進歩する科学に対する警鐘と言ってもいいでしょう。
途中でてくるテロリスト(ロバート・デニーロ)が最も人間らしいという皮肉を込めたディストピア映画を代表する作品です。

カルト映画ですので、ハマる方はハマるし無理な方は全く無理だと思われます!

しかし、観るべき映画ではあることは間違いないです!

④「マッドマックス2」(1981)
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概要:
核戦争後の荒廃した世界が舞台で繰り広げられる元警察官のマックス(メル・ギブソン)と暴走族との死闘を描いたポストアポカリプス作品。
感想:
2016年、皆大好き「マッドマックス 怒りのデスロード」で全世界で注目を集めたカルトSF作品のシリーズ2作目に当たるのが今作です。
1作目は核戦争後の荒廃した世界が舞台ではありますが、まだ道路も警察機関もあり僅かながらも文明というものがありました。
しかし今作は完全に世界が砂漠地帯と化し文明というものが完全に消え去ってしまいかろうじて生存している者たちが集まって暮らす集落的なのがあります。
この圧倒的スケールで描かれた"まあ、なくはない"世界観が当時の人々の心を鷲掴みにしました。
神話的背景で描かれるストーリーも神話的であります。
そしてなにより今作シリーズの魅力はキャラクター!主人公のマックスは無論、悪役の首領として登場するヒューマンガスも素晴らしい!
前作でダークヒーローな主人公と事故になりかねない過激なアクションスタントと荒廃したポストアポカリプスを確立させ、今作でその成熟を遂げた作品となっています。

SF映画の歴史を大きく変えた作品であります!
ぜひ未鑑賞の方は見てください!


⑤「リベリオン」(2002)
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概要:
第三次世界大戦終戦後に成立した国が舞台となっていて、四次世界大戦の勃発防止のため感情を殺す薬が配給されている世界観。"ガン=カタ"という戦闘術を極めた今でいう警察的組織のトップである主人公プレストン(クリスチャン・ベール)らが上記した薬を拒む人間を排除していく中で、徐々に現体制に不信を抱いていくというストーリー。
感想:
はい。
こちらもかなりカルト的人気のある作品であります。「リベリオン」と聞いてまず思い浮かぶのは"ガン=カタ"という戦闘術。これはガンアクションとカンフーを合体させた新戦闘スタイルでありまして、従来のアクションより一歩先へいったアクションです。
このアクションで萌えない男はいない!!
文では言い表せない魅力があります!観てない方はまずみてください。
感情がなくなった世界という定番的な古典的管理社会という設定は似たようなので「華氏451」という名作がありますが、芸術という一種の感情に対する教科書が失われた時に起こりうる社会現象、人々の変化というものが両作品ともよく描かれています。
第二次世界大戦時のドイツでは映画、本などといった芸術作品は全て焼かれ、人々の芸術を制限したという歴史もあることから決して他人事ではない設定です。



以上で終わりです。
上5作品含め、近未来SFで描かれているのは現代の社会風刺と警鐘です。
どの作品もエンターテイメント要素は存分にありますがその裏にあるドロドロとした闇を理解した上で鑑賞すると、より一層作品が味わい深くなります。
他にも近未来SFは数多く存在し、超有名な名作から隠れた名作まであります。
もし上に挙げた5作品でまだ未鑑賞の映画がありましたら鑑賞することをオススメします。


拙い文でしたが最後まで読んでくださりありがとうございました!