運動遊びを行うにあたり、男性保育士の役割はどのようなものなのか考えた時、運動ができ体操等、指導を率先して行く力をつける必要があると思います

。また実習先では「先生は室内遊びの製作を教えるのは上手だけど、戸外で遊ぶのは苦手だね」と言われたことです。私自身、小さい頃から運動が好きだったので子供達と一緒に体を動かすために工夫をしていました。しかし苦手と言われてみると戸外での失敗が多かったようにおもいます。その失敗を今向き合うことにより少し前の私とどう変わったのか、考えて行きたいと思います。実習先で私が理想の男性保育士と感じた人がいました。その人が行なっていた言葉掛け、子供達が運動遊びに取り組んでいる姿勢について事例や考察を交えて考えて行きたいと思います。



1.運動が苦手なO君

保育園実習で出会ったO君は私と戸外遊びをしている時にいつも「先生クイズをして」と言ってきます。最初の内は一緒にクイズをしていましたがクイズなら室内遊びでもできるので戸外ならではの運動遊びを伝えたいと徐々に思うようになりました。そこで先生に彼のことを聞いてみるとO君は大家族で家では外であまり遊ばないということを聞きました。そして先生に「気になるのだったら何か遊びを提案してみたらどうか」と言われ、次の日彼に色鬼をしようと誘ってみました。しかし彼は「しらないから嫌だ先生クイズをしよう」と言いました。わたしは分かり易いように他の子どもと一緒に手本を見せながら説明しましたがそれでも「嫌だ」と言われました。そこで私は周りの子供達と色鬼を遊び始めることにしました最初O君は少し拗ねている様子でこちらを見ていましたが友達が楽しそうに遊んでいる様子を見て興味が湧いてきたのか「先生僕も入れて」と遊びに参加してきました。O君が今まで元気に走り回っている姿を見ることがあまりなかったので、自分の伝えたいことが伝わったと感じました。



2.先生の運動遊び

私は実習園でとても魅力的な人に出会いました。その人は園の中でも周りの先生を率先しているリーダーの様な先生で子供達にもとても人気がある先生でした。子供達の遊びの中心になり様々な遊びを提案していました。実習初日の戸外遊びで先生は畳上がりという遊びをしていました。畳上がりという遊びは、まずスロープを用意し、スロープに畳をもたれさせ、私と先生で畳をしっかり押さえ、坂になっている畳を子ども達が勢いをつけて登って行くという遊びでした。先生は子ども達に畳上がりをする事を伝え、子ども達を集め、裸足になる様に呼びかけ、細いスポンジの上にバランスをとりながら立つように話しました。畳上がりが始まると先生は年齢に応じて畳の角度を変えたり子どもが挑戦したいという角度に変える等、子どもがやってみたいと意欲的な気持ちを積極的に取り組んでいました。私は畳を抑えながら一生懸命に登っていく子どもの表情を見ていると真剣に取り組みながらも楽しんでいるように感じました。難しい角度の畳挑戦するときは周りにいる子ども達も精一杯応援し、登れなかったときには「あと少しで登れそうだね」等と子ども達同士で励まし、登れたときには周りの子ども達や先生と喜びを共感していました。



3,サーキットでの子どもたちの取り組み

室内遊びをしている時に子どもたちを集め、折り紙で手裏剣を折っていましたをしばらくすると先生は子ども達が折り紙の手裏剣に夢中になっている様子を見て「今日は忍者ごっこをしよう」と子ども達に声をかけました。ホールに行く為、子ども達を階段の前に並ぶように呼びかけ「今から忍者になって階段を上がるよ。忍者だから喋らないで静かにね」と言いました。すると子ども達は忍者になりきり静かに階段を上がり始めました。ホールに入るとあらかじめセッティングされていたサーキットがありました。先生は忍者になった状態で子ども達に説明をきくように声を掛け、1人の子ども「呼び、他の子どもが分かり易いように手本を示しました。まずロッカーの取っ手に紐を括りつけ台車の下に紐を通し寝転がりながら紐を掴み、腕だけで台車を動かし、平均台にまたがりながら進み、次にビニールシートの中に潜り込み這いずりながら進みます。最後に先生が持っている棒にぶら下がり運んでもらいます。順番を待つときは細いスポンジの上に立ちバランスをとりながら待ちます。先生は遊びに取り組み易いように音響を整えて、サーキットが始まると先生は子ども達の気分が上がるように「忍者素早くいかないといけないよ」等と子どもが忍者になりきった状態でいられるように言葉掛けしていました。途中で疲れた子どもは先生に疲れた事を伝え座って待っていました。私は子どもは 達が正しく運動できているのか見守り、私の前を通る子どもに「楽しい」と聞いてみると子ども達は口を揃えて「楽しい」と答えました。数回した後、しばらくの間子ども達の体力面を考慮し休憩するように声を掛けました。



考察

事例1について感じたことは運動が心の底から嫌いな子どもはいないという事です。この時私は色鬼という遊びを知らなかったO君に無理やり色鬼をさせようとしていました。しかし今考えるともっと他の方法があったのではないかと思います。例えばO君の意見を取り入れ最初はクイズで遊び、その後にもう一度私が色鬼をしたいという事を伝えると彼も納得してくれたのではないかと思います。O君が「やってみたい」という気持ちに変わったのは私の力ではなく、色鬼を楽しんでいる友達の様子を見て彼の心も動いたのだと思います。あまり運動が得意ではない子どもに対して運動遊びに取り組み易い環境を作って行く大切さを感じました。事例2では私の言葉と先生の言葉の重みの違いを感じました。事例1のO君は恐らく私が提案した遊びは楽しいかどうか疑いがあったのではないかとおもいます。その人が提案した遊びに子ども達が集まっていくのは提案している遊びが楽しいという事が をわかっているのだと思います。先生が遊びの中心に立つ事によって子ども達も様々な遊びを知っていき遊びに充実感を感じていくのだと思います。畳上がりでは裸足になることによって、砂の感触を足で感じる事ができ、そして畳を上がる時には体全身を使うので全身運動にもなります。そして今まで登れなかった角度に挑戦し達成できた時に子どもが感じる「できた」という感情が自信に繋がっていき、失敗した際にも友達同士で励まし合うことにより「頑張ろう」という感情が芽生えていくのだと思います。事例3は先生が子どもが夢中になっている遊びを取り組み、子どもが忍者になりきることによって自然とサーキットを楽しめるのだと思います。鍛えられると考えられる部位は掴みながら進むことにより握力を鍛える事が出来ます。ビニールシートに潜り込み這いずりながら進むという運動は全身運動で体全身を動かし、最後に棒にぶら下がるというのはバランス感覚、腕の筋力の持久力を鍛えることができます。休憩を取る事によって子ども達はの体力面にも考慮し、子ども達のペースで遊ぶ事ができると思います。



おわりに

これらの事例で保育者は運動遊びの効果を把握し、子ども達の発達に合った運動遊びを考えていかなければいかないという事、そして子ども達の中心になって運動遊びをする際には普段できない遊びを行うことによって新鮮味を感じることができるのだとおもいました。私の課題は幼少期の運動遊びは子ども達が成長するにあたり運動が得意か苦手になるか別れてしまう大切な時期なので、運動遊びについて理解を深め、運動遊びを苦手としている子どもが「楽しい」と思ってもらえるような提案や男性保育者に求められるリーダー性を身につけ、指導を率先していけるような保育者になっていきたいです