「お出かけ楽しんでな?」


(ありがとっ)


働き者のママとパパ

せっかくの休みくらい

2人でお出かけでも

そう思ってバイトを休んで

弟と妹の面倒は私が見ることに


ガチャッ

「んぅ…」


「あ、彩起きた?」


「美優ちゃんっ!」


5歳の弟の彩

めーっちゃ優しい

可愛い男の子

強がりやけど甘えん坊

さっそく抱きついてくる


「あ、柊ちゃん起こしてきてや」


3歳の妹の柊ちゃんは

やんちゃ盛りの女の子


「嫌っ!」


「何で?」


「柊ちゃん起きたら

美優ちゃんは

柊ちゃんばっかりやもん」


「そんなことないで?

ちゃーんと彩のこと見てるで?」


「嘘や」


「嘘ちゃう」


「うぅ…」


朝ごはんの準備をしてると

彩が柊ちゃんを抱っこして

歩いてきた


「柊ちゃんっおはよ」


「みゆちゃおはよ」


「可愛いーっ」


「むっ…柊ちゃんトイレ行くで」


「やぁーっ!」


「こら喧嘩しない

柊ちゃんトイレは

お姉ちゃんといこなー

彩はご飯食べてて」


「はぁい…」


柊ちゃんをトイレに連れてって

ご飯を食べさせてあげる

彩を横目に見ると

かなり不機嫌やった


「さーやか

何怒ってんの?」


「だから僕言ったのに…」


「んー?」


「ふんっ」


「あ、ちょっと」


走っていく

彩を追いかけようとしたら

柊ちゃんが足に引っ付く


「みゆちゃ!遊ぼ!」


「あ、でも...」


「みゆちゃはしゅうの!」


「柊ちゃん…

そうやな遊ぼ」


柊ちゃんもヤキモチ焼きやった

困ったなぁ…

でも人形で遊んでると

彩が野球道具を取りに

降りてきた


「彩どっかいくん?」


「…別にええやん」


「ちょっと...

あ、柊ちゃん」


「にぃ!」


「なに?」


「柊もいく!」


「好きにすればぁ」


「フフフっ」


やっぱりお兄ちゃんやなぁ


「ほらー!柊っ」


「にぃ!いくでー!」


「よっしゃこーい!」


2人の趣味は野球

見るのもするのも大好き

私は全然分からへんけど


「帰るで二人とも」


「美優ちゃん…手」


「みゆちゃ…だっこ」


「あー柊ちゃんおねむやな?

よいしょっ...彩何か言うた?」


「何もない…」


家に帰って柊ちゃんをベットに

寝かしつけてリビングに戻ると

彩はおもちゃで遊んでた

でもその姿はちょっと悲しそう

そういえば朝起きた時

彩のこと見るって言ったのに

何回もひっついてくれようと...


彩が生まれてすぐに

柊ちゃん生まれて

パパもママも私も仕事、バイトで

彩は柊ちゃんの面倒を見てくれて

甘えることあまりなかった

私にひっつくのも甘えたいからやんな…


「彩」


「…」


「おいで」


「いい...」


「ほーら…」


抱き上げて

膝の上に乗せると

彩の顔は真っ赤


「美優ちゃん…」


「ごめんな彩

今は彩だけ見るからな?」


「ん…」


「どーしたん?」


ギューッ


「…美優ちゃん

また遊んでくれる?」


「うん遊ぶ

ごめんな?我慢させて」


「僕、柊ちゃん好き

だからええねん

それに柊ちゃんは

僕より美優ちゃんとおる時間

短いもん」


「ありがと彩」


「ん…美優ちゃ…スースー」


「あぁ寝ちゃった...」




ガチャッ

(ただいまー美優紀

ありが…柊ちゃん?)


「シィー!」


「え?…あ」


「みゆちゃとにぃは

ねんねしてるの

起こしちゃめっ!」


「…フフフそうやな

よしじゃあ柊ちゃんは

ママとご飯作ろうなぁ」


「うん!」