銀杏の木が黄色く色めくと同時に米国空軍最高機長のアンダーライン機長が父のいない間に家に来るようになった。







そのころから母の言葉の一つ一つが頭に焼き付いた。


『いっぱい召し上がれ』



『乳製品』







『あそこの奥さん』





『熱いやつ』



子どもながら母とアンダーラインの関係がわかった。


母をとられて気がした



あやめるしかなかった。




10月4日アンダーラインは家近くの鉄骨川の河川敷で遺体で見つかった。







お母さん

ごめんなさい

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私は恐怖で泣いた
アンダーさんは裕福な家庭環境もあり性格が悪かった。


私は授業中いつも消しゴムのクズを頭にあてられていた。



担任である五星(いつつぼし)先生によく指摘された。



越野おまえ頭に消しクズがたくさんついてるぞ!







『オッケーです。』







消しクズなら我慢できたが日に日にアンダーさんは硬い物をぶつけるようになった。





中でもパチンコ玉は衝撃的な痛さだった。





越野!大丈夫か!血がでてるぞ!鉄の玉が頭皮にめり込んでるぞ!





『オッケーです』




五星先生はアンダーさんの奇行に全く気付かない。




『オッケーです』





普段アンダーさんに怒らない先生が6年の春に1回怒った。





アンダーライン!!!!
お前味噌汁をスープていってんじゃない!!!


私はすかさず間に入った


大丈夫、大丈夫、先生オッケーですオッケーオッケー私なりのオッケーです。


もう八方美人でいるしか私の居場所はなかった



そしてその年の秋初めて人をあやめるのである。
私の小学校は全校生徒が少ないのもあって私の学年は2人だった。



唯一のクラスメイトが米国空軍最高機長アンダーラインの1人娘ジェシカ・アンダーラインだった。



みなさんよろしくアンダーさんと呼んでください



ジェシカの自己紹介は衝撃的だった。