アベノミクス巡り舌戦火ぶた 都議選、党首も動員 |
2013/06/15 01:16 日経速報ニュース 942文字 |
与野党は14日に告示された東京都議選(23日投開票)を7月の参院選の前哨戦と位置付けて総力戦で臨む。党首級が顔をそろえた街頭演説では安倍晋三首相の経済政策であるアベノミクスの評価に多くの時間を費やした。参院選を待たず、与野党論戦が火蓋を切った。
首相は14日「都議選は準国政選挙」と明確に位置づけた。この4日前、首相公邸で会食した各省政務官には「都議選に勝てば参院選は勝てる。勝てなければ参院選は負ける。常に歴史上そうだった」と力説。「与党の政策が都民に評価されて勝たなきゃ駄目だ」とも語っていた。 「雇用を拡大し、所得を増やし、日本を活気ある国としてよみがえらせる。それを訴えて安倍政権は高い支持をいただいている」。首相の意向に沿うように、自民党の石破茂幹事長は14日の街頭演説でアベノミクスの実績を訴えた。逆に、経済政策以外にはほとんど触れなかった。公明党の山口那津男代表も街頭演説で「GDP(国内総生産)がV字回復している」などと強調した。 自民党は今回の都議選で都議会第1党の座を奪い返し、公明党と合わせた過半数(64議席)の確保を目指している。それが参院選に弾みを付け、参院で野党が多数を占める「ねじれ」の解消につながるとみているからだ。 都議選は地方選挙の一つにすぎないが、直後の国政選挙に結果が連動する傾向がある。直近の2009年7月の都議選は、民主党が政権交代を訴えて第1党になり、翌月の衆院選で政権を奪取した。 野党各党も国政選挙のように、株価の乱高下などに触れながらアベノミクス批判を展開した。各党の支持率が伸び悩む中で間近に迫る参院選をにらみ、「好材料」を最大限に生かしたいとの思惑だ。 「皆さんの暮らしはまだまだ良くなっていない」。民主党の海江田万里代表は街頭演説でこう繰り返し、「瀬戸際の選挙だ。参院選は都議選が終わってすぐなので態勢の立て直しはできない」と危機感を訴えた。 日本維新の会の石原慎太郎共同代表も「株価が上がったり下がったりしてみんなハラハラしている」と強調してみせた。16日には橋下徹共同代表も都内に入り両氏が先頭に立ち反転を狙う。みんなの党の渡辺喜美代表は記者会見で、政府の成長戦略について「持続可能な経済成長につながらない」と指摘した。 |