金ETF、ソロス氏が金売却 ポールソン氏は維持 四半期報告 |
2013/05/16 08:02 日経速報ニュース 696文字 |
米著名投資家のジョージ・ソロス氏率いるヘッジファンドが金の上場投資信託(ETF)の保有を減らしていたことが分かった。ソロス・ファンド・マネジメントが15日付で米証券取引委員会(SEC)に提出した3月末時点の保有報告書によれば、金ETFの最大手「SPDRゴールド・シェア」の保有残高は53万0900口(裏付けとなる金の総量は約1.65トンに相当)となり、昨年12月末時点から約12%減った。
このほか、金鉱株の1つである米フリーポート・マクモラン・コッパー・アンド・ゴールド株は前回の発表時から7割以上減らした。同氏は4月に香港紙とのインタビューで「金は安全な資金投資先としての地位を失った」などと発言。市場では、同氏が金ETFなどの売却に動いているとの観測が浮上していた。 ニューヨーク市場の金は16日早朝に始まった時間外取引で1トロイオンス1390ドル台に下落している。前日の通常取引ではドル高を背景に、約1カ月ぶりに1400ドルを割り込んでいた。中心限月は年初と比べて約2割安い水準にある。SPDRゴールド・シェアの残高は年明けから減少をたどり、4月半ばの急落を招く一因となっていた。 金相場に強気の見通しを持つことで知られるジョン・ポールソン氏のヘッジファンド「ポールソン・アンド・カンパニー」は保有を維持した。同日付の保有報告書によれば、3月末時点のSPDRゴールド・シェアの保有高は2183万7552口(約67.92トン)と昨年6月末から同じ水準を保っている。ファンドの運用成績の悪化を受け、市場では同氏による金ETF売却の思惑も出ていた。〔日経QUICKニュース(NQN)〕 |